[東京 7日 ロイター] – 内閣府が7日公表した8月の景気動向指数(速報値、2015年=100)では、指標となる一致指数は前月比1.1ポイント上昇し79.4となり3カ月連続で改善した。けん引役は自動車関連の輸出・生産回復で、指数から機械的に決める基調判断は前月の「悪化を示している」から「下げ止まりを示している」に上方修正した。上方修正は2019年5月以来15カ月ぶり。
もっとも、雇用関連指標の悪化などにより一致指数の水準そのものは100前後だった昨年秋と比べ依然として低く、リーマン・ショックからの回復期だった2009年秋と同程度にとどまっている。
8月の一致指数の上昇は、自動車輸出の回復や、自動車関連財である鉄鋼や非鉄などの出荷が拡大したため。一方、有効求人倍率は8カ月連続で悪化した。
一致指数の3カ月移動平均などから機械的に内閣府が決める基調判断は、2019年5月から3カ月連続で「下げ止まり」としていたが、同年8月以降は「悪化」が続いていた。
先行指数は前月比2.1ポイント上昇し88.8と3カ月連続でのプラスとなった。自動車関連の在庫減少やマネーストック拡大、中小企業売り上げ見通し指数の改善などで押し上げられた。
一方、遅行指数は前月比2.7ポイント低下の89.7と2カ月連続でマイナスだった。法人税収の減少、完全失業率の悪化、消費者物価指数などが押し下げ要因だった。