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3月貿易黒字49億円、輸出は前年比-11.7% 2016年7月以来の減少幅

横浜港で車を輸出する様子
財務省が20日発表した3月貿易統計速報は、貿易収支が49億4600万円の黒字だった。写真は2017年11月、横浜港で撮影(2020年 ロイター/Toru Hanai)

[東京 20日 ロイター] – 財務省が20日発表した3月貿易統計速報は、貿易収支が49億円の黒字だった。ロイターの予測中央値は4200億円の黒字で、予測を大幅に下回った。輸出は前年同月比11.7%減、輸入は同5.0%減だった。

輸出は2016年7月以来のマイナス幅となり、財務省は「新型コロナウイルスの世界的伝播が日本の輸出入に影響した可能性がある。今後の動向を注視したい」(財務省幹部)と警戒感を示す。

輸出品目では、自動車、船舶などが減少した。輸入は石炭、液化天然ガスなどが減少した。

対米輸出は前年同月比-16.5%、2011月4月以来のマイナス幅

新型コロナの感染拡大を受けて、3月は米国向けの輸出が前年同月比マイナス16.5%となり、大幅に減少。これは2011年4月のマイナス23.3%以来の低下幅だった。

輸出の品目別では、自動車(前年同月比23.7%減)、原動機(同27.4%減)、建設用・鉱山用機械(同34.7%減)などが大きく減少した。

輸入の品目別では、原粗油(同94.6%減)、穀物類(同24.3%減)、石炭(同41.8%減)などの減少が目立った。

中国向けの輸出も同8.7%減、中国からの輸入は4.5%減少した。 対中輸出入の差引は2412億円となり、2カ月ぶりの赤字となった。

減少した輸出品目は、自動車の部分品(同37.6%減 )、有機化合物 (同35.0%減 )、半導体等製造装置(同12.6%減)だった。

一方、減少した輸入品目は電算機類 (同12.2%減)、衣類・同付属品 (同 9.6%減)だった。通信機は同60.3%増加した。

4月以降はさらに輸出減も、今後は中国の回復がカギ

新型コロナの感染拡大が世界的に広まり、未だ終息のめどが立っていないことから、エコノミストからは、4月以降の貿易統計への影響を指摘する声も聞かれる。

第一生命経済研究所の経済調査部・奥脇健史エコノミストは、今後について「特に、輸出がさらに減少する可能性がある」と指摘。3月中旬から欧米でも新型コロナの感染拡大がみられたことと、国内で緊急事態宣言が発出され、経済活動の停滞が懸念されるからだ。

一方、中国からの輸入(季節調整値)は市場予測を上回り、既に回復傾向にあるとし、「中国は他国と比較して早めにロックダウンを行ったり、経済活動を再開したりしている。北米や欧州と比較して戻りは早い」(奥脇氏)との見解を示した。

中国からの輸入がどこまで持ち直してくるかが、今後の注目ポイントになるだろうと述べた。