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アングル:業績予想の有無で日本株に明暗 中国関連に期待感

東京証券取引所
4月10日、企業決算に対する株式市場の評価が二極化している。具体的な業績予想の数値を公表した企業にはアク抜け感が出る一方、見通しを未公表とした企業は先行きの不安が拭い切れず株価がさえない。そうした中、経済の回復がいち早くみえてきた中国関連株に期待感が高まっている。写真は東京証券取引所で2015年7月撮影(2020年 ロイター/Yuya Shino)

[東京 10日 ロイター] – 企業決算に対する株式市場の評価が二極化している。具体的な業績予想の数値を公表した企業にはアク抜け感が出る一方、見通しを未公表とした企業は先行きの不安が拭い切れず株価がさえない。そうした中、経済の回復がいち早くみえてきた中国関連株に期待感が高まっている。

2月期企業(8月期企業は上期)の決算発表がピークを迎えた。新型コロナウイルスの影響で、総じて見通しは悪化しているものの、公表方法によって株価の反応に明暗が分かれている。

ファーストリテイリングは9日に2020年8月期の連結営業利益予想を前年比43.7%減の1450億円へ下方修正したが、株価は大幅上昇。竹内製作所も同日、21年2月期の連結営業利益が同33.6%減になると発表したが、株価は堅調に推移している。

半面、セブン&アイ・ホールディングスとローソンの株価はさえない。両社とも9日に決算発表をしたが、業績予想の合理的な算定が困難との理由で21年2月期の連結業績予想を「未定」とした。

業績見通しの有無で株価反応が異なる状況について岡地証券・投資情報室長の森裕恭氏は「見通しが出せない企業は先行きの落ち込みが加速するリスクがあるということだろう。リスクオフの換金売りが一巡し、回復を買おうとする中でこの差は大きい」と指摘する。

そうした中、「新型コロナショックで先行して売られた中国関連株から株価修復が進む可能性がある」と大和証券・チーフテクニカルアナリストの木野内栄治氏は指摘する。

世界で新型コロナの影響が厳しさを増す中で、中国では震源地である武漢の封鎖措置が解除されたのをはじめ、各地で工場の操業再開が相次ぐなど、経済活動が修復に向け動き出した。ファーストリテのように中国ビジネスの比重が高い企業は先行きがある程度見えるようになってきた分、市場に安心感が生じている。

10日に決算発表を予定している2月期決算の安川電機は、発表を前に株価は堅調に推移している。「中国での底入れ、今後の回復を先取りしている」(木野内氏)とみられている。今月後半から始まる3月期企業の決算発表シーズンも、見通しの発表の仕方で評価が分かれることになりそうだ。