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経常収支2月は黒字幅が拡大、中国からの輸入減 新型コロナ影響

都内の港に積まれたコンテナ
4月8日、財務省が発表した国際収支状況速報によると、2月の経常収支は3兆1688億円の黒字となった。都内の港で2011年2月撮影(2018年 ロイター/Toru Hanai)

[東京 8日 ロイター] – 財務省が8日発表した国際収支状況速報によると、2月の経常収支は3兆1688億円の黒字となった。新型コロナウイルス感染拡大の影響で中国からの輸入が減少し、貿易収支の黒字幅が拡大したため。今後は輸入の停滞が輸出の減少につながり、貿易全体にマイナスに作用する可能性がある。さらに、投資収益の減少も経常収支に大きく影響しそうだ。

ロイターが民間調査機関に行った事前調査の予測中央値は3兆0619億円程度の黒字で予測を上回り、経常収支の黒字は68カ月連続となった。

貿易収支は1兆3666億円の黒字(前年同月比8772億円の黒字幅拡大)で、輸出が増加したが輸入が減少したことが背景にある。

財務省幹部は「オーストラリアからの液化天然ガスや、中国からの衣類、携帯電話などの通信機の輸入が減少した」と指摘。2月は新型コロナウイルスの感染拡大の影響により、中国国内で工場の停止があったことも影響しているとみている。

今後については、世界経済の減速により日本の対世界への輸出も減少していくとみられる。

サービス収支は1366億円の赤字で、2カ月連続。新型ウイルスの感染拡大を受けた訪日客の減少で、旅行収支の黒字が縮小した。

貿易・サービス収支は1兆2300億円の黒字だった。

第1次所得収支は2兆0798億円の黒字、第2次所得収支は1410億円の赤字だった。

農林中金総合研究所の南武志主席研究員は、世界経済全体が冷え込むため「投資収益の受け取りが減り、第一次所得収支の黒字幅も今後縮小する」と見込んでいる。