[東京 7日 ロイター] – 日銀が7日に発表した3月の「生活意識に関するアンケート調査」(第81回)によると、足元の景況感DIはマイナス36.3で、2012年12月(マイナス50.6)以来の低水準となった。7期連続で悪化。これは1年前と比べ景況感が「悪くなった」と答えた人が増えた結果で、悪化幅6.5は、14年12月(マイナス12.5)以来の大きさだった。
新型コロナの影響は限定的も、景気への不安感は増加か
アンケートの調査期間は2月6日から3月3日で、新型コロナウイルス感染拡大の影響を受けて学校の休校措置が始まった時期と重なる。
日経平均株価は2万円台を保っていたこともあり、「新型コロナウイルスの経済的な影響はまだ限定的だった」(日銀の担当者)という。
一方で「調査期間中に、2019年10─12月期GDP(国内総生産)の発表や、新型コロナウイルスで中国の工場が一部停止するなどの報道があり、気持ちの面で景気への不安感が高まったのではないか」(同)とみている。
1年後の景況感DIはマイナス42.2で、08年12月(マイナス47.9)以来の低水準だった。
物価1年後「上がる」予想、17年3月以来の低水準
日銀が家計や企業のインフレ期待の高まりを把握するために注目している物価予想については、1年後の物価が「上がる」と予想する回答者は68.4%となり、前回12月調査の73.3%から低下。数値としては、17年3月(67.0%)以来の低水準だった。
物価予想は平均が3.4%上昇。中央値は2.0%上昇で、17年9月以来の低水準だった。
5年後も物価は「上がる」との予想は12月調査の82.8%から79.9%に低下。毎年の変化率予想は平均値が3.7%上昇、中央値が2.0%上昇だった。