[東京 7日 ロイター] – 西村康稔経済再生相は7日の閣議後会見で、消費の低迷により17日公表予定の2019年10─12月期国内総生産(GDP)一次速報について、個人消費低迷により前期比マイナスになる可能性があるとの見解を示した。新型コロナウイルス感染拡大を受け、部品供給の停滞を通じた国内の自動車など製造業への影響も注視する必要を強調した。
消費増税後の消費動向に関して、「駆け込み需要と増税後の落ち込みは前回よりも大きくなかったとみていたが、暖冬や一部自動車企業の不具合などで説明できる範囲ではあるものの、弱い数字が出ている」と指摘。「個人消費を見る限り、10─12月は7─9月より低くなる可能性があり、GDPも低くなる可能性がある」と説明した。
7日公表された家計調査で消費支出が3カ月連続で減少している背景として、土日祝日が2日少なかったことや、暖冬で婦人服や暖房器具などが低迷したと説明。消費動向については、新型コロナウイルス感染拡大による下押しのリスクを注視すると強調した。
自動車産業への影響に関しては、 日本の自動車部品の4割強が中国からの輸入となっていることから「中国における生産減が長引けば、サプライチェーンを通じて影響を及ぼす可能性があり、十分注意深くみていきたい」と強調した。
また、訪日観光客の3割を中国人が占めている現状を踏まえ、インバウンド減少が「観光を含めた地域経済に影響をもたらしはじめており、関係省庁に影響の調査と対応を要請している」と明らかにした。
政府としては2019年度補正予算や、審議中の20年度予算の早期実行で対応するとともに、安倍晋三首相から予備費も活用した万全の対策を指示されていると説明した。