関東・信越の1都7県の地域生協からなる地域生協最大の連合会であるコープデリ生活協同組合連合会(埼玉県/土屋敏夫代表理事理事長:以下、コープデリ)。宅配ニーズが高い首都圏をメーンに事業を営んでいるコープデリは、コロナ禍で冷凍食品の品揃えを拡大し、新商品を開発するなど、冷凍食品を強化している。2020年、21年ともに供給高を大幅に伸長させたけん引役が、冷凍ミールキットだ。
冷凍食品が新規組合員のいちばん人気!
お客の玄関先まで品質管理を徹底して届ける宅配事業を強みとするコープデリ。組合員は毎週コープデリの商品を注文する、という買物行動をとっているため、保存性に優れ家庭内で一定量を在庫できる冷凍食品に対するニーズが、実店舗である食品スーパー(SM)の利用者よりも高い傾向がある。
そんなコープデリは近年、品揃えの拡大や新商品開発など、冷凍食品を強化してきた。その大きな理由は、同社が目標に掲げる「40代以下の若い層の支持獲得」にある。組合員の高齢化という課題を抱えているコープデリは、40代以下の消費者の支持が高い冷凍食品を強化することで、上記の目標を達成しようとしているのだ。具体的には、商品政策(MD)において「冷凍ミールキット」をはじめ、市場の伸びが著しい冷凍米飯・麺類や、時短ニーズに訴求する冷凍おかずの品揃えを拡大させた。
毎週組合員に配布する宅配カタログの「ハピ・デリ!」にも強みがある。店舗の冷凍食品売場は無機質になりがちで、商品の解凍後の写真がない場合が多い。そのため消費者に対して、冷凍ミールキットや冷凍弁当、冷凍米飯といったカテゴリーの商品の「食卓での姿」を想起させにくいという弱点がある。対するコープデリは「ハピ・デリ!」で、冷凍食品の解凍時間や原材料などの基本情報はもちろん、解凍後のメニュー写真を載せて訴求している。宅配カタログが実質的に、冷凍食品の「シズル感」を訴求できる、効果的な“売場”になっているのだ。
結果的に、20年以降に加入した新規組合員の属性は約半数が30・40代の
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