滋賀県を中心に、関西、東海、北陸エリアで総合スーパーや食品スーパーを展開する平和堂(滋賀県/平松正嗣社長)は、プロセスセンター(PC)の活用や店舗作業改善、デジタル化などを通じ、各種コストや作業人時の低減を図り、捻出した余剰資源を使って低価格を実現している。一方、こだわり商品や手間のかかる加工にも取り組み、ディスカウンターとの差異化も図る。
食品部門の店舗作業30%削減をめざす
本拠の滋賀県では強固なドミナントエリアを構築し、地元消費者の強い支持を獲得している平和堂。ただ近年、同社の商勢圏では競争が激化しているのが現状である。
東海、北陸エリアでは生鮮食品の扱いが大きいドラッグストア(DgS)やディスカウントストア(DS)といった異業態が台頭、事業環境は年々、厳しさを増している。最近の目立った動きでは、昨夏から福井県のDgS企業、GenkyDrugStores(福井県/藤永賢一社長)が滋賀県に進出し、積極的に店舗数を広げている。なお、同社の売上高における食品構成比は66.3%(2022年6月期実績)にも上る。
また、こうした競争環境の激しさ以外でも、小売業界には強い逆風が吹く。円安が急速に進むほか、各種コストも高騰。これらに伴うメーカーからの値上げ要請が相次いでおり、価格競争力を維持しにくい状況となっている。
こうしたなか、同社の取締役常務執行役員で営業統括副本部長と商品本部長を兼務する夏原陽平氏は「現在の環境を見ると、交渉によって仕入れ原価を下げるアプローチには限界があると感じている。そのため当社では近年、EDLC(エブリデー・ローコスト)に力を入れている」と説明する。
現在、平和堂では21年度を初年度とする3カ年の第四次中期経営計画を推進している。22年3月1月で創業65周年を迎えた同社は、次なる目標として100年続く企業となることを視野に入れ、「地域密着のライフスタイル総合(創造)企業」を掲げており、さまざまな施策に取り組んでいる。
具体的には
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