日本フードサービス協会(東京都)によると、2021年の外食産業の売上高は対前年比1.4%減で、1994年の調査開始以来最大の下げ幅となった前年をさらに下回った。さらに、業態間の格差も広がっている。テイクアウト・デリバリーに強みを持つ「ファストフード」は対前年比4.8%増と好調であった一方、店内飲食が中心の「ファミリーレストラン」(同8.2%減)では苦戦が続く。なかでも酒類提供の制限が影響した「パブレストラン/居酒屋」では同42.2%減と大きく落ち込んだ。
外食チェーン上位10社のうち、2021年度実績で増収だったのは7社だった。20年度において減収を記録したのが8社だということを考えると、21年度は業績を回復させた企業が多いことがわかる。コロナ2年目で前年度と比べれば客足が戻ってきたことや、テイクアウト・デリバリー需要が伸長したことがその理由だ。
業界売上高トップのゼンショーホールディングス(東京都)の22年3月期(連結)業績は、売上高6585億円(対前期比10.7%増)、営業利益92億円(同23.6%減)の増収減益であった。売上高はコロナ禍以前の20年3月期実績を上回っている。カテゴリー別の既存店売上高では、「すき家」や「なか卯」の牛丼カテゴリーが同6.4%増、100円寿司チェーン「はま寿司」を中心とするファストフードカテゴリーが同6.0%増。いずれもテイクアウト商品の拡充などが寄与し、好調であった。一方、「ココス」「ジョリーパスタ」などのレストラン業態では同2.8%増にとどまっている。同社は23年3月期に国内外で593店舗を新たに出店する計画だ。
全店売上高過去最高を記録したマクドナルド
2位の日本マクドナルドホールディングス(東京都)の21年12月期(連結)のチェーン全店売上高は
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