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ウジエスーパー氏家社長が最重要視する「長期的成長のためのパーパス」とは

人口減少が加速度的に進む一方で、有力チェーンの出店意欲は依然旺盛で、最近はディスカウンターも存在感を大きくする東北・宮城県。そんな過酷な環境下、独自路線で成長を続けているのがウジエスーパー(宮城県/氏家良太郎社長)だ。

同社は2024年3月、創業家出身の氏家良太郎氏が社長に就任して以降、「部門横断」をはじめとしたさまざまなチャレンジを続けている。

社長就任から1年半超「部門横断」を推進!

──商勢圏の事業環境をどう認識されていますか。

氏家  1番大きな変化を感じているのはインフレ、それに伴う値上げです。人件費のほか、消耗品をはじめとしたあらゆる経費も上がっています。

 あとは何と言っても競合環境です。業界では勢力図が大きく変化しており、当社が商勢圏とする宮城県にも影響がみられています。県下でディスカウンターが次々と出店していることに加え、足元では、われわれと同じく東北を本拠とする地場食品スーパー(SM)も販促を強めている気配を感じています。

美田園店で新たに開始した「うま☆ほど」を、社長自らオリジナルTシャツでアピールする

──社長就任から1年半が過ぎました。現在までにどのようなことに力を入れてきましたか。

氏家  スケールメリットを武器とする競合に、ナショナルブランド(NB)商品を同じ価格で販売して対抗することはできません。価格とは違うかたちでお客さまの支持を得ていく必要がありますが、やれることは限られています。

 リソースが限られる中で、私が社長になってから進めてきたのが「部門横断」の取り組みです。たとえば、鮮魚部門のメンバーが青果を担当してみたり、商品部の人間が店長をやってみたりと、根気強く進めてきました。

──「部門横断」を進めたことで、どのような成果が得られていますか。

氏家  従業員からは「最初は嫌だったけれど、店長を経験してみてよかった」とポジティブな声があがっています。無形の価値と私は呼んでいますが、「仕入れることが仕事」ではなく、「仕入れて売るまでが仕事」という意識が浸透してきました。

 商品面では、「相乗効果」と「効率化」という2つの効果がみられています。相乗効果というのは、たとえば

本記事でわかることは

  • 競合店と価格で戦うのではなく、独自の商品やサービスで顧客に「おいしい感動体験」を提供している。

  • 鮮魚と青果、総菜とスイーツなど部門を越えて連携し、相乗効果を生み出す商品開発や効率化を進めている。

  • 利用客が事前に決めているメニューに加えて、新しい食のスタイルや多様なニーズに応える提案を積極的に行っている。

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