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イオン物流担当手塚大輔執行役が語る、2024 年問題の解決策とは

「物流の2024年問題」を機に国内物流の課題が浮き彫りとなり、食品小売業は改革を求められている。そうしたなか国内小売業大手のイオン(千葉県/吉田昭夫社長)はいかに対策を打ち、今後どのような物流戦略を描いているのか。同社執行役物流担当の手塚大輔氏に聞いた。

小売業が率先し、最適解を導き出す

──食品小売業の物流を取り巻く環境をどのように見ていますか。

手塚 大輔(てづか・だいすけ)
●1975年生まれ。2002年イオンクレジットサービス入社、06年イオン総合金融準備(現イオン銀行)、07年同社企画部統括マネージャー、11年イオン戦略部、14年戦略部長、16 年ユナイテッド・スーパーマーケット・ホールディングス(U.S.M.H)代表取締役、17年マックスバリュ関東代表取締役社長、19年U.S.M.H代表取締役副社長、21年イオン物流担当、22年3月より現職

手塚 物流においては長年、小売業の成長を物流事業者が支える「小売>物流」の時代が続いてきました。しかし、24年問題によって物流リソースの逼迫がいよいよ顕在化し、こうした時代は終わりを迎えました。

 サプライチェーン全体の効率化が各業種で求められるなか、とくに生鮮を含む食品を扱う小売業は物流の変動性が大きく、リードタイムも短いという点で、物流改革のハードルは非常に高い。個社での取り組みには限界があり、サプライチェーン全体に対して小売業がイニシアチブをとり、最適解を導き出す必要があると考えます。

 これまで日本の食品小売業は、優れた卸機能が存在するゆえに、独自の物流戦略がなくても成立していました。欧米の小売業界では経営陣に物流やサプライチェーン専門の担当役員を置く企業が多く、物流のプレゼンスが高い一方、日本では、物流に経営上の力点が置かれてきませんでした。

 しかし、ここまで物流問題が深刻化したなか、お客さまに付加価値を提供し続けるためには、小売企業が自らの責任のもとで独自の戦略を立て、サプライチェーン全体の効率化をどのようにデザインしていくかが問われています。物流は単に委託するのではなく、能動的に攻めていくべき領域に変わり、戦略上の重要度が高まっています。

──イオンは物流やサプライチェーンの領域に先進的に取り組んできた小売企業です。

手塚 当社は2000年代初頭に「グローバル・リテーラーになる」とのビジョンのもと、サプライチェーンの改革を実行し、MD(商品政策)機能、物流機能、MDシステムを一気通貫で刷新しました。

 この改革から約20年が経過し、イオンの事業は大きく変貌しました。売上規模は当時の3倍以上に拡大し、事業構成も総合スーパー(GMS)中心から、食を軸に領域が広がってきました。一方で、サプライチェーンの基盤は20年前に構築されたままで、全体を俯瞰し有機的につながりながら改善することが難しくなりつつあります。

 イオンの25年度までの5カ年の中期経営計画では、成長戦略の1つとして「サプライチェーン発想での独自価値の創造」が掲げられ、サプライチェーンの改革がコアなテーマになっています。2030年以降のイオンを支えられるよう、20年前に構築した物流構造をもう一度変革する必要があります。

4つの標準化策を実行し、車両効率を最大10%改善へ

──物流構造改革をいかに進めていますか。

手塚 短期的には、24年問題で顕在化する物流リソースの逼迫に徹底的に対応していきます。

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