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イオンリテール井出武美社長が語る「GMS 衣料品改革」の全貌と「船橋モデル」とは

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コロナ収束に伴うリベンジ消費に加えて、ここ数年取り組んできた事業改革が実を結び、2023年2月期決算において営業収益は過去最高を更新、利益面では3期ぶりの営業黒字を果たしたイオンリテール(千葉県)。総合スーパー(GMS)市場が縮小に向かう中、同社はどのように改革をすすめていったのか。井出武美社長に聞く。

衣料品改革に手応え「船橋モデル」とは

──現在の事業環境をどのようにみていますか

井出武美(いで・たけみ) ●1962年生まれ。85年ジャスコ(現イオン)に入社。2008年にイオンリテール食品商品本部デリカ商品部長、11年にマックスバリュ東北(現イオン東北)取締役商品本部長、14年に山陽マルナカ(現マックスバリュ西日本)代表取締役社長に就任。16年にイオンリテール取締役常務執行役員食品商品企画本部長、17年に専務執行役員南関東カンパニー支社長、18年に同社取締役執行役員副社長 営業担当などを経て、19年に代表取締役社長に昇格(現任)。

井出 直近ではコロナ禍の収束に伴ってリベンジ消費が拡大し、イオンリテールのオケージョン(イベントや行・催事)での強みが大いに発揮されています。コロナ禍で、当社がかねて進めてきた心身の健康を重視する「ヘルス&ウェルネス」や持続可能な社会に向けたGX(グリーン・トランスフォーメーション)、デジタルシフトといった新しい潮流が一気に加速したことも後押しとなっています。

 一方、長らく続いたデフレから「インフレ局面」へと転換しており、価格面での対応だけでなく、これら新しい潮流や社会課題を踏まえて付加価値をどのように高めていくかも重要です。

 経営の根幹はお客さまを決して見失わないことです。お客さまは常に変化し続けるので、われわれも変化し続けなければなりません。お客さまの変化や、少子高齢化や子育て支援といった日本の社会課題と真正面から向き合うことしか解決の手段はないと考えています。

──イオンリテールでは23年3月以降、既存店売上高が前期実績を上回っています。好調の要因を聞かせてください

井出 消費の二極化への対応がお客さまから支持され、客数を維持できているのが大きな要因です。物価高での生活防衛意識の高まりに対応して、プライベートブランド(PB)「トップバリュベストプライス」を中心に価格訴求型の商品を品揃えする一方、本格的なおいしさを家庭で楽しめる付加価値型の商品も強化してきました。ハレの日のごちそう商品も支持をいただいております。

 お客さまの変化をとらえ、数年前から戦略的に冷凍食品や輸入食品、調剤といった成長領域に投資してきた成果が出ています。とくに20年から強化してきた冷凍食品は好調で、調剤カテゴリも伸びています。

──近年の事業戦略が着実に実を結んでいるということでしょうか

井出 この数年は衣料品と住居関連品の収益性改善を課題としてきましたが、直近では同部門の売上高構成比も増加傾向にあり、今後、さらに伸ばしていく方針です。とくに衣料品では、在庫改革に加え、成功モデルも生まれつつあります。

 われわれが「船橋モデル」と呼ぶこの取り組みでは、

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