大型M&A(合併・買収)を経て成長してきたリージョナルの雄、アクシアル リテイリング(新潟県:以下、アクシアル)。同社は競争が激化するなかでも、地域シェアを拡大させることに成功している。アクシアル発足から10年の節目に、その具体的な要因や今後のビジョンを同社の原和彦社長に聞いた。
企業規模拡大をめざし3つの機能と人材を強化
──食品スーパー(SM)を取り巻く事業環境をどのようにみていますか。
原 2000年代からの20年でみると、少子高齢化や労働力人口の減少、インターネットの普及などによって、お客さまのニーズが変化してきました。高齢化に伴う健康志向や、女性の就業率の上昇によって簡便ニーズなどが高まっています。
食品を扱うドラッグストアや、ディスカウントストアも増え、業態はますますボーダレス化しています。これらの業態のコスト構造はSMとは異なるため、価格だけでは太刀打ちしづらい面があります。もちろんSMもふだん使いの商品を手頃な価格で提供する努力は必要ですが、価格対応だけでも勝ち残れません。
──アクシアルはこの20年、顧客ニーズの変化に適切に対応しながら、企業としての総合力を着実につけてきました。
原 23年4月にリニューアルした「原信紫竹山店」(新潟県新潟市)は、04年の開業から約20年で商圏内に11店もの競合店が出店した激戦区にもかかわらず、売上高を伸ばし続けています。これは、地域内での市場占有率が高まっていることを意味します。
地域シェアを高められている要因には、当社が「規模」「機能」「人材」を重視してきたことがあると考えています。
当社は「お客さまに豊かさ、楽しさ、便利さを商品やサービスを通じて届ける」ことを理念に掲げています。この実現には企業規模を拡大し、チェーンストアとしてマスメリットを創出することが必要です。そのために「物流」「製造拠点」「IT」など店舗を支える機能を整備するとともに、これをつくり込める人材育成を追求してきました。
マネジメントシステムで売上、収益性を高め続ける
──時代のニーズに対応し、商品政策(MD)も進化させてきました。
原 02年頃から新潟県では大手流通小売業の積極進出による「新潟戦争」が発生しました。当時は売場に十分な競争力がなく、競合店に手厳しくやられた痛い経験があります。そこから打ち出したのが、現在のMDの原点である「ニューコンセプト」です。
MDでコンスタントにヒット商品を生み出し続けるためには、
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