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データを長期的に俯瞰して見ることの重要性

 読者の皆さんの中には、直近のデータを頻繁に確認・分析している方も多いことでしょう。とくに小売関係者ではその傾向が強いかと思います。また、マーケティング担当者の場合は、売上だけでなく、消費者調査関連のデータなどにも注意を払っていることでしょう。

 ただ、筆者の経験では、たとえば消費者調査においては、「統計的有意差なし」とされるレベルでしかデータが動いていないことも多々ありました。その場合、「異常なし」としか言えないのですが、同じデータでも2~3年のスパンで見ると大きく動いていることがあり、その結果、これまでおぼろげにしか見えなかった「何か」が見えてくることがあります。

データを短期の変化のみで見ていると見落とす要素があるかもしれない
(写真はイメージsankai/iStock)

長期データのレビューが新たな気づきに

 2年ほど前、とあるプレミアムブランド事業の方から、「現在のマーケティング戦略がうまくいっていない気がするので調べたい」という相談を受けました。その戦略を評価するための分析を試みようとしたのですが、結果的に、戦略の見直しにつながるような分析を嫌う社内からの反対(残念ながらこうした反応は上層部に多い傾向があります)により、その分析は実施されませんでした。

 ところが最近になって営業現場から、

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