オーケー(神奈川県/二宮涼太郎社長)が関西に進出して5カ月。関西小売市場では競争の熾烈さが一段と増している。この激戦を勝ち抜くために、企業は何を求められているのか。関西の食品スーパー(SM)の業務改善に携わってきた、サミットリテイリングセンター代表取締役の新谷千里氏に聞いた。
エリア外からの相次ぐ進出で変容する関西市場
関西の小売市場では、競争構造そのものに変化が生じつつある。関西圏外の有力企業が相次いで参入し、従来の地域密着型企業を中心とした市場に、新たな価格・業態競争の軸が加わった。
なかでも注目されるのがオーケーの動向だ。関西初出店から5カ月が経過し、EDLP(エブリデー・ロープライス)を軸に高品質と低価格を両立する同社の戦略が、既存企業の価格政策や売場構成に影響をおよぼし始めている。「オーケー西宮北口店」(兵庫県西宮市)や「オーケー高井田店」(大阪府東大阪市)では買いやすさを重視した売場構成と価格競争力の高さが評価され、とくに若年層を中心に「安くて品質も納得できる」との声が広がっている。
実際、筆者が調査したところ、オーケーが最安値となる単品数は競合中最多であった。また、首都圏では多様な店舗サイズを持ち高密度で出店しているが、それが関西でも実現すれば競合各社にとって脅威となり得る。
注目すべきプレーヤーはオーケーだけではない。ロピア(神奈川県/髙木勇輔代表)は進出から一定の時間が経過し、すでに地域に定着した存在だ。ボリューム感のある商品構成とファミリー層を意識した売場づくりによって、着実にシェアを高めている。
バローホールディングス(岐阜県/小池孝幸社長)では、かつて買収した大阪地盤の「八百鮮」や「たこ一」など、生鮮特化型店舗の展開が際立っており、出店地域では周辺の競合店に影響をおよぼしている。
一方で、関西では「価格に対する品質」を重視する傾向が強く、
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