6月11~13日、第10回グローバルDIYサミットローマ大会が開かれた。同イベントはEDRA(ヨーロッパDIY協会)/GHIN(グローバル・ホームインプルーブメント・ネットワーク)/HIMA(ホームインプルーブメント製造業協会)による共同開催である。日本からはカインズ(埼玉県)、DCM(東京都)、コーナン商事(大阪府)、グッデイ(福岡県)の経営幹部をはじめ、約50人が参加した。
テクノマット、巨大倉庫型のプロ向け店舗
テクノマットは建築資材・工具・金物などハード商材に特化した巨大倉庫型のフォーマットである。平均売場面積は8637㎡で、プロ向け店舗でこのような大きさは日本では見られない。
売上構成はルロイ・メルランと逆で、プロ顧客が約7割、DIYユーザーが約3割となっている。アデオグループの共通商品はほとんど取り扱わず、イタリアの建築職人に人気のナショナルブランド商品を地域一番の低価格で販売している。
郊外を中心にイタリア国内に30店舗を展開している。売上高が約2700億円なので、1店舗当たり100億円近くの売上を有するという計算だ。
坪当たり売上単価が高いのが特徴で、旗艦店舗では1坪当たり500万円を超える。日本のHCの平均は70万円を下回っているので、8倍近くの坪効率である。実際に視察した2店舗とも、平日の日中にもかかわらずプロ向け店舗とは思えないほどの来店客がおり、にぎわいを見せていた。
プロ向け商材の圧倒的な品揃え
旗艦店舗の売場は「コストコ」をほうふつとさせるような巨大倉庫型で、商品在庫の大半は売場に置いているが、地下に売場機能を持たない倉庫も併設している。
売場づくりでは建物の高さを生かして商品を積み上げている。入口からすぐ右側では圧倒的な種類の電動工具を陳列。平場の売場も設置し、触って試せるようにしている。
その奥側には電材パーツを揃えているコーナーを展開。同コーナーはワンウエーになっており、専用カウンターを隣接させることで、専門的な知識を持つスタッフに相談できるようにしている。DCMが展開する「クイックパーツ」コーナーと似たコンセプトであるような印象を受けた。
工具や金物の売場で特徴的なのは、什器の上部に開閉式の扉がついており、扉には商品のイメージがわくようにディスプレーする。扉を開けると中に在庫が入っている。日本のハンズマン(宮崎県)の売場のような仕組みだ。
壁・床・ドアといったリフォーム商材の品揃えも圧巻だ。広い売場面積を確保しているだけでなく、専用の相談カウンターを設置し、DIYとDIFM(Do It For Me:商品は自分で選ぶが業者に依頼して作業してもらう)の両方に対応している。