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9000人のうち日本人はわずか20人 「現地化」で純利益66億円稼ぐイオンマレーシアの戦略

経済成長著しいアジア市場の開拓に注力する小売業が増えるなか、先駆的な存在といえるのが「アジアシフト」を進めるイオン(千葉県/吉田昭夫社長)だ。そんな同社が最初に進出を果たした国がマレーシアである。同国の事業会社イオンマレーシア(大野惠司社長)の現地での取り組みをレポートする。
※2024年3月1日付でイオンマレーシア代表には岡田尚也新社長が就任している

“第2創業”の姿勢で企業価値を最大化へ

 マレーシアは、その国土面積は日本よりやや小さい約33万㎞²に対して、人口は約3350万人(2021年)。マレーシア統計局によると2022年の平均世帯収入は237万円(1リンギット=31.2円換算:以下同)ほどの国である。1980年代から当時の第4代首相マハティール・ビン・モハマド氏の経済政策により、日本を含む先進国からの投資や企業進出を積極的に受け入れ、90年代には年間経済成長率で2ケタ近い急成長を遂げた。

本社オフィスも入る旗艦店「イオンモール タマンマルリ」

 イオンがマレーシアに進出したのは1984年、当時の岡田卓也社長(現・名誉会長相談役)が、マハティール首相より「マレーシア商業の近代化に協力してほしい」と出店の要請を受け、海外に初出店を果たしている。

 現在イオンマレーシアは、大きく東西2つの島に分かれるマレーシアのうち、主に西マレーシアで事業を展開。マレーシア全体でショッピングセンター(SC)「イオンモール」を28店、総合スーパー(GMS)を35店、食品スーパー「マックスバリュ」を7店運営(そのほか、イオンマレーシアの事業会社が、仏カルフールから買収した店舗を転換したディスカウントストア(DS)「イオンビッグ」も21店営業する)。また食品小売事業以外では、ドラッグストアも手掛けている。

 その店舗網は西マレーシアでは島の北から南、都市部から地方まで網羅する。約40年に及ぶイオンマレーシアの歴史から「イオンが外資の企業だと認識していない人も多い」(広報担当者)というほど、各店舗が現地になじんでいる。また、商業施設のデベロッパーとしては、テナントの戦略に応じて、さまざまな立地の施設を提案できる点も強みの1つだ。2022年の営業収入は1296億円、税引前当期純利益は66億円まで成長している。

イオンマレーシアの大野惠司社長

 イオンマレーシアの大野惠司社長は、同社の現在地について次のように説明する。「東南アジア全体で見れば、今や事業成長率や今後の潜在的な市場の大きさではベトナムやインドネシアの方が勝る。そうしたなかマレーシア事業は約40年に及ぶ歴史を生かし、“第2創業”のような姿勢で有効資産を再活用しながら、企業価値を最大化させていく段階にある」

10億円規模の活性化、中間層の支持ねらう

 現在、

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