関東を中心に店舗を展開するクリエイトSDホールディングス(神奈川県/廣瀨泰三社長:以下、クリエイトSD)。近年は生鮮を含む食品の取り扱いを強化しているほか、地盤とする神奈川県内では密度の高いドミナントを構築し、マーケットシェアを高めている。本稿では16店舗を展開する神奈川県秦野(はだの)市のドミナントエリアを調査し、クリエイトSDの地力に迫った。調査日:2023年11月5~6・12日、価格は本体価格
16店舗を展開する一大ドミナント!
神奈川県西部に位置する秦野市は、四方を山に囲まれた自然豊かな街である一方、東京や横浜へのアクセスがよいことからベッドタウンとして発展。現在人口は約16万人を数える。
県内に本拠を置くクリエイトSDにとっては重要なドミナントエリアの1つで、最古参の「秦野平沢店」(第78号店)から今年11月に開業した最新店舗「秦野曽屋店」まで計16店舗を展開する。盆地にあって可住域は決して広くはないが、同社は市内で強固なドミナントを築いている。
他方、食品スーパー(SM)の競争環境に目を向けると、全国区で飛ぶ鳥を落とす勢いの「ロピア」が2店舗あるほか、「イオン」「マックスバリュ」「ヤオコー」「ベルク」「ヨークマート」など有力SMが密集状態にある。クリエイトSDはその隙間を縫うように、生鮮も取り扱うフード&ドラッグ業態の積極的な出店を進めており、高いマーケットシェアを有している。
今回はそれぞれ立地や開店時期の異なる「秦野南が丘店」(23年8月開業)、「秦野大秦町店」(20年3月開業)、秦野曽屋店の3店舗を対象に食品売場をメーンとした調査を行い、ドミナントエリアにおけるクリエイトSDの実力を考察した。
秦野南が丘店
SM撤退後に居抜き出店、古い住宅街の買物拠点に
まず訪れたのが、小田急電鉄小田原線「秦野」駅からバスで約15分、東名高速道路「秦野中井IC」のほど近くに位置する「秦野南が丘店」(以下、南が丘店)だ。周辺はおよそ40年前に開発された古い住宅地で、その中心にある「南が丘ショッピングセンター」の一テナントとして営業している。23年3月に閉店した「そうてつローゼン南が丘店」の跡地に居抜き出店した。
南が丘店の売場面積は約300坪(歩測)で、クリエイトSDとしては標準的なサイズ感。生鮮3品と総菜に加えて調剤薬局も併設した、利便性の高いフォーマットとなっている。
このうち食品売場は
・・・この記事は有料会員向けです。続きをご覧の方はこちらのリンクからログインの上閲覧ください。