長野県を地盤に食品スーパー(SM)を展開するツルヤ(掛川健三社長)。徹底した売場標準化の取り組みや、独自性の高いプライベートブランド(PB)の開発、そして圧倒的な集客力の高さで知られる。価格訴求に依存せずに、どのような店舗・商品づくりでいかにお客を集めているのか。売場、商品政策(MD)、店舗オペレーションなどさまざまな切り口から分析してみた。※文中・写真の価格はすべて本体価格
ツルヤの「強み」
- シンプルだが無機質にならない戦略的売場づくり
- PBでロングセラーを生み出す商品開発力
- 徹底的に標準化されたオペレーション
地域一番店を各商圏で展開
ツルヤは地盤とする長野県に37店舗、2020年に進出した群馬県で3店舗の計40店舗を有し、22年6月期の売上高は1160億円となっている。今年6月には群馬県前橋市に「ローズタウン店」を開業する予定。新たな商勢圏である群馬県でも熱烈な支持を集め、店舗網を着実に拡大しつつある。
同社の売上推移に目を向けると(図表)、15年6月期の売上高は764億円、当期純利益は16億円だったのが、21年6月期にはそれぞれ1066億円、20億円となっている。この6年間で売上高は139.5%、当期純利益は125%の伸長率を示しており、売上と利益をバランスよく拡大しているといえる。
新規出店数の推移は、16年度2店舗、17年度1店舗、18年度はゼロ、19年度1店舗、20年度2店舗、21年度1店舗、22年度2店舗と、1年に1~2店舗のペースで新店を出しており、投資と収益のバランスを重視した出店政策をとっている。ちなみに21年6月期の自己資本比率は60%(本誌22年9月15日号「日本の小売業1000社ランキング」より)で、安全性の高い財務体質もツルヤの大きな強みである。
1店舗当たりの平均年商は、21年6月期の売上高ベースで約
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