関西を地盤に食品スーパー(SM)約160店舗を展開する万代(大阪府/阿部秀行社長)。大手から中小まで数多の競合企業が存在するマーケットのなかで、高い集客力と競争力を誇るSMとして知られる。繁盛店の1つである「万代塚口店」(兵庫県尼崎市:以下、塚口店)を調査し、万代の強さに迫ってみた。※調査日は4月14~15日、価格はすべて本体価格
万代 塚口店
売場に見た「強さ」の源泉
- 「売れないスペース」を許さない売場づくり
- 知られざる集客部門・インストアベーカリー
- ベテラン社員の層の厚さと意識の高さ
圧倒的な販売力の高さ!平均年商は約23億円
万代の経営数値を主な競合企業と比較しながら整理しておきたい(図表)。各社の16年度と21年度の売上高を比較すると、マルハチの約1.5倍に対し、万代は1.15倍と“堅実”な拡大路線を示している。しかし、1店舗あたりの平均売上高(概算)は約23億円と高く、繁盛店を多く有していることがわかる。
ちなみに22年の全国スーパーマーケット協会の統計資料では、日本のSMの1店舗あたりの平均年商は約15億円。単純計算で、万代は平均的なSMのおよそ1.5倍の「販売力」を持っていると言える。
そうした万代の強さの源泉に迫るべく、今回調査したのが、兵庫県尼崎市にある塚口店だ。JR福知山線「塚口」駅から徒歩4分の場所に16年2月に開業した店舗で、自社開発の近隣型ショッピングセンター「ミリオンタウン塚口」の核店舗の位置づけ。ワンフロアで店舗面積は約3000㎡で、万代としては大型の店舗である。
尼崎市は、兵庫県の南東部に位置する人口約45万人の中核都市で、大阪や京都、奈良へも乗り換えなしでアクセスできる利便性から関西のベッドタウンとして発展してきたエリアだ。
このような肥沃なマーケットをねらって、塚口店の周辺でも有力チェーンが出店を進めており、20年10月にはロピア(神奈川県/髙木勇輔代表)が関西2店舗目として「ロピア尼崎島忠ホームズ店」を、23年3月には阪神エリアを地盤とするマルハチ(兵庫県/栗花正雄社長)が「スーパーマルハチ下坂部店」をオープンしている。
生鮮の圧倒的な品揃えと「売り込む」という姿勢
まずは
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