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ヤオコー八王子鑓水店が実践! お客を飽きさせない売場づくりとは

食品スーパー1280

群雄割拠の首都圏において、とくに有力な食品スーパー(SM)として知られるヤオコー(埼玉県/川野澄人社長)。コロナ禍を経ても業績は好調に推移しており、新しい競争環境のなかでも、その強さは不変である。ヤオコーはなぜお客の支持を集め続け、成長を継続できるのか。昨年9月にオープンした「ヤオコー八王子鑓水店」(東京都八王子市:以下、八王子鑓水店)を訪れ、あらためて、「ヤオコーの強さ」とは何かを考察してみた。※本文中の価格はすべて本体価格・写真はオープン日の取材時のもの

ヤオコー八王子鑓水(やりみず)店

●所在地: 東京都八王子市鑓水2-108-1
●営業時間: 9:00~21:00
●売場面積: 2206㎡
●開業日: 2022年9月

売場に見た「強さ」の源泉

季節感の「先取り」で独自色を示す青果売場

 八王子鑓水店は、JR横浜線・京王相模原線「橋本」駅から北東へ約2kmの場所にある、ホームセンターや家電量販店も入居する大型商業施設「ビバモール八王子多摩美大前」内にテナントとして出店した。2022年9月28日のオープンから、約半年が過ぎたところである。

 同店のストアコンセプトは「毎日の食生活が『彩り豊か』になるお店~楽しさあふれる売場を日々と週末でメリハリをつけ、彩り豊かな食生活を提案しよう~」。デイリーユースを軸としながら、ハレの日のニーズもしっかり取り込むことで、地域の食生活の“グレードアップ”に寄与することをめざした店舗である。

 早速、売場を見ていこう。調査時、入口そばの青果コーナーでは台湾パイナップルとカットスイカを売場のトップに配置していた。また、早くもハウス栽培の山形県産のさくらんぼも並んでいた。一般的にはイチゴやキウイフルーツを訴求する時季であるが、季節感を先取りした品揃えで、差別化を図っているようだった。

 ちなみに台湾パイナップルはコロナ禍での販売先減少や中国の禁輸措置によって、日本のSMにとっては物量が確保しやすく、コロナ禍でのブームも手伝って販売面でも“仕掛け”やすい商材の1つだ。ヤオコーはいち早く台湾パイナップルを青果の商品政策(MD)における戦略商品と位置づけ、提案に力を入れている。

 こうした点が、「ヤオコーには他にはないモノがある」「季節感を先取りして感じられる」「さまざまな選択肢のなかからよいモノを選べる」という、ポジティブなイメージを醸成しているのだ。

 他方、主通路上の右側では、バナナとカット野菜を集積した特徴的な棚割りがなされていた。この2品は青果の中でもとくに購入頻度が高いアイテムであり、その売れ行きはヘビーユーザーの数や動きを測るバロメーターともいえる。顧客の支持がしっかりとあれば、おのずと動線は壁面沿いに偏ることなく、回遊性の向上につながるというわけだ。

青果の壁面の対向では購買頻度の高いバナナやカットサラダを集積し、主通路上の回遊性を高めている

 青果と鮮魚の間に配置されている和日配売場でも同様の仕掛けがあり、

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