Genky DrugStores(福井県/藤永賢一社長:以下、ゲンキー)が現在、標準フォーマットとして出店を加速しているのが、売場面積300坪の「レギュラー店」だ。コンパクトなサイズながら、生鮮をフルラインで導入し、非食品と併せて強い集客力を発揮している。同社本部のほど近くにあるレギュラー店「ゲンキー松岡店」(福井県永平寺町:以下、松岡店)の売場を見ていこう。
ゲンキーの成長を担うモデル店舗
松岡店は、最寄りのえちぜん鉄道勝山永平寺線「観音町」駅から直線距離で南西へ約300m、国道416号線に面した場所に位置する。同店から約250m東の至近距離には「クスリのアオキ松岡店」が営業している。
オープンは2016年10月。売場面積は約300坪で、現在、ゲンキーが標準フォーマットとして出店しつつ既存の大型店からの転換も進めている「レギュラー店」の1つだ。ゲンキー本部からクルマで15分ほどの距離ということもあり、最新の取り組みはまず同店で実験的に展開したのちに他店へと横展開する「モデル店舗」としても位置づけられる。
ゲンキーはレギュラー店について、売場レイアウトや品揃え、売場づくりなどすべてを標準化、商圏人口7000人で成立するよう設計している。屋号にも「フード&ドラッグ」を掲げるとおり、生鮮を含む食品が充実しているのが最たる特徴。売場スペース構成比で35%を占め、全店平均の売上高構成比は66.3%(22年6月期)にも上る。
とくに生鮮食品が並ぶ売場は、まるで食品スーパー(SM)のようだ。ただし、その運営手法はSMとはまったく別物。後方にはバックヤードはなく、入荷した商品を一時的に置いておく15坪ほどのスペースがあるだけ。原則として入荷後、すぐに売場に出すルールで、店内加工は一切行わないのだ。
また、人員配置の考え方も大きく異なる。常駐する正社員は1店舗当たり基本1名で、そこに数名のパート・アルバイト従業員だけで店舗を運営する。品出しや売場のメンテナンスなどはあらかじめスケジューリングされており、それを日や週単位の計画に落とし込むことで作業コストをコントロールしている。
ゲンキーはこうした取り組みにより店舗のローコストオペレーションを実現。低減したコストは価格に反映してお客に“お得感”を提供する、というサイクルを回して競争力を向上し続けているのだ。
効率化と売上最大化を図る売場づくりの妙
売場を詳しく見ていこう。入口すぐの場所に配置するのは
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