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サツドラ、現場の意見を取り入れマニュアル作成、4つの劇的な導入効果とは

前回はコープさっぽろ(北海道/大見英明理事長)にインタビューした内容を基に、「業務基準書作成の事例編」を解説しました。本稿では、ドラッグストア企業のサッポロドラッグストアー(北海道/富山浩樹代表取締役社長兼CEO))にインタビューした内容を軸に「業務基準書作成の事例編 2」をお伝えします。

インタビュー回答者:サッポロドラッグストアー マネジメントサービス本部 業務基準書推進担当リーダー 上見渉

以前のマニュアルが定着しなかった理由

 サッポロドラッグストアーには、以前より業務概要を記した「業務マニュアル」、作業手順の詳細を記した「作業マニュアル」がありましたが、下記の問題点により定着しませんでした。

【問題点】

・「業務マニュアル」には業務の種類と方法は記載されているが、作業手順が不明確だった
・「作業マニュアル」リリース後、「業務マニュアル」の更新作業が追いつかなかった
・「作業マニュアル」の内容が細かく、1作業ごとのページ数が多くなり、作業の全体像を理解するのが難しかった

 そのほかにも、新規サービス、新規システム導入の際に「〇〇マニュアル」「××ガイド」「△△ルールブック」などの複数のマニュアルがありましたが、内容や構成が統一されておらず、「探しづらい」「使いづらい」状態となり、店舗ごとの教育や成果にバラつきが出ていたとのことです。

 サッポロドラッグストアーは「チェーンストアとして多店舗型モデルを作り上げる」という目標を定めていました。そのためには、店舗業務の標準化とそれに伴った教育が必要不可欠です。そこで、元良品計画社長の松井忠三氏の著書『良品計画は、仕組みが9割』に感銘を受けた富山社長(当時の役職は常務取締役営業本部長)が号令をかけ、良品計画の「ムジグラム※」をモデルに現在の業務基準書「サツドラウェイブック」を完成させました。

※ムジグラム(MUJIGRAM)とは、2000ページに渡って無印良品の店舗に関するあらゆる業務のやり方を詳細に記載したマニュアルのこと。38億円の大赤字からのV字回復に貢献した。詳しくは連載第1回を参照

業務基準書完成までの流れ

2014年3月:良品計画を訪問。その後、サービス産業生産性協議会/仕組み化研究会と情報交換を重ねながら、業務基準書作成を開始
2015年3月:第1弾として、新人教育の項目が多い4冊を先行リリース
2016年1月:第2弾・第3弾をリリース後、計17冊のOTC店舗の業務基準書「サツドラウェイブック」が完成(当時1367ページ 410項目 → 現在2061ページ 446項目)
2017年5「冊子(紙)」から「デジタル」に移行。本部用の業務基準書「本部で働くにあたって」をリリース
2020年7調剤店舗の業務基準書「調剤で働くにあたって」をリリース

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