精肉店出身の強みを生かした肉総菜や大容量商品など、ほかの食品スーパー(SM)ではあまり見られないユニークな商品を数多く揃えるロピアの総菜売場。ロピアはどのようなコンセプトのもと、総菜商品をつくり出しているのだろうか。SMの総菜部門のコンサルティングに多くの実績を持つ総菜のプロフェッショナル、小関恭司氏が解説する。※調査日:2021年8月31日、商品の価格はすべて税抜
売場解説
「利益部門」としての総菜売場、低コスト化の取り組みが随所に
ロピアは2021年9月現在、関東および関西地方に計62店舗を展開する。今回の調査では、その中でも屈指の繁盛店の1つで旗艦店の位置づけとみられる、「ロピアららぽーとTOKYO-BAY店」(千葉県船橋市:以下、TOKYO-BAY店)を対象とした。
TOKYO-BAY店は大型ショッピングセンター(SC)「三井ショッピングパーク ららぽーとTOKYO-BAY」西館の建替えに際して13年2月に出店。すでに開店から8年半を経ているが、今もなお、その集客力は衰えを知らない。
生鮮3品を集客の武器とするロピアの商圏は広い。中でもTOKYO-BAY店の場合は、近隣に集合住宅が集積するものの、SC立地であるため、その商圏はさらに広い。すると、週1回程度のまとめ買いを目的とするファミリー層の来店が多く、どうしても総菜部門の売上高構成比は上がりづらくなる。
その一方で、TOKYO-BAY店にとっても、ひいてはロピアにとっても、総菜は「利益部門」である。そして、今後も利益を生み出す役割を果たすべき部門であるといっていい。
そうしたなかで、同店の総菜売場には、コストを下げるための取り組みが随所に見られる。たとえば、ハード面では簡素な什器を導入し、イニシャルコストを引き下げている。商品面では、傘下の総菜メーカーの利恵産業が製造する米飯、サラダ、デザートなどの商品を仕入れるほか、総菜テナントの「中華ドラゴン」「なかはら」を導入することで、ロピア自体はあまり手間のかからない商品の店内加工に集中、人件費の軽減につなげている。
とはいえ、ほかの大手SMチェーンと比べると、インストア加工の比重は高い。売場を見た印象では、TOKYO-BAY店ではテナントを含めた総菜商品の
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