ベルク(埼玉県/原島一誠社長)は日常使いにおける利便性を追求しているチェーンであるがゆえに、店舗を視察しても「強さの理由がはっきりとはわからない」という業界関係者は少なくない。そこで、日本リテイリングセンターリサーチ・ディレクターの渥美六雄氏にベルクの強さの本質を解説してもらった。
快適さを提供しつつ、巧みに商品を売り込む
新型コロナウイルス(コロナ)感染拡大の影響が長期化するなか、ベルクの客数が伸び続けている。2021年2月期の既存店客数は対前年同期比2.1%増と伸び、さらに22年2月期第1四半期は同2.4%増となっている。
渥美氏はコロナ禍でベルクが支持を得ている理由の1つに「全国的にも群を抜いて、生活必需品を便利に買物しやすい店づくり」を挙げる。それが感染予防の観点でショートタイムショッピングが求められたなか圧倒的な価値を発揮した。この「利便性」「快適な買物環境」という価値で獲得した顧客は、買い上げ点数が多く、高来店頻度でかつ定着しやすい。その結果、現在ベルクがより多くの消費者から選ばれる店になっているという。
ベルクの店舗を見ると、清潔感があって明るい内装、広い主通路、明確でわかりやすい客動線など、買物のしやすさが追求されている。たとえば青果売場は低めのゴンドラ什器を配置し、来店客が売場全体を見渡しやすいようにしている。視察した「和光西大和店」(埼玉県和光市:20年7月開店)では、精肉やパンなどの売場はコンパクトにまとめられていて、来店客は選択肢が一目でわかりやすく、商品を選びやすいようにしている。「以前は
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