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マッキンゼーが解き明かす、食品小売「オペレーションの未来」とは

客数予測で人件費をコントロール

 本連載3回目となる今回は、店舗オペレーションの未来を取り上げる。小売業にとって「ヒト」は重要な資産である一方、2つの点で悩みの種である。1つめは人件費の高騰だ。食品小売業の人件費は上昇傾向(年率約2%)にあり、このトレンドは継続するとみられる。2つめは深刻化する人手不足への対応である。

食品小売が今後消費者の期待に応え続けるには、テクノロジーを活用し、顧客体験を最適化しつつ人件費を適切にコントロールする実店舗運営と、新たな消費者行動に対応した、ネットスーパーの展開が必要だ。千葉市内のスーパーで2020年3月撮影(2021年 ロイター/Kim Kyung-Hoon)

 また、新型コロナウイルスの感染拡大を受け、消費者の購買行動に変化が起きている。マッキンゼーが実施したサーベイ結果(図表❶)によると、従来ネットスーパーの非利用層だった消費者による食料品のインターネット購入が大きく増加し、それはコロナ禍収束後も継続するとみられている。しかしながら、2021年7月現在、日本において利益を伴うネットスーパーの展開ができているプレーヤーは極めて限定的だ。

 このような環境下で、食品小売が今後消費者の期待に応え続けるには、テクノロジーを活用し、顧客体験を最適化しつつ人件費を適切にコントロールする実店舗運営と、新たな消費者行動に対応した、ネットスーパーの展開が必要だ。

 人件費のコントロールは伝統的なリーン・オペレーションの導入に加えて、テクノロジー活用が最近では取り入れられている。それらを簡単に紹介したい。

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