四国・中国地方6県に計99店舗(2021年5月末時点)を展開しているフジ(愛媛県)。ブランド力の強さの指標であるストア・エクイティ・インデックス(SEI)は毎年伸長しており、今年は2.0を記録。ブランドパワーランキング2021では四国地方で第2位となった。同社のブランドパワーの源泉について、山口普社長兼COOに話を聞いた。
顧客の声に応えて売場や商品を改善
──ブランドパワーランキング2021では、四国地方で第2位となりました。「商品が見つけやすい」「売場が清潔」「売場が快適」といった項目で評価を得ています。この結果をどう分析していますか。
山口 当社では15年ほど前から、コンサルタントの力を借りながら「52週MD(商品政策)」に取り組んでいます。MDの要素は、「調達力」「構成力」「表現力」に分解できます。調達力や構成力はもちろん、ここ数年は、お客さまに商品価値をわかりやすく伝える表現力の向上に取り組んできました。
衛生面については、新型コロナウイルスの感染拡大防止策は当然のこと、コロナ以前からお客さまの声に対して具体的な行動で応えてきました。各店舗では、お客さまにご意見・ご要望を記入していただく用紙を設置しています。また、店舗従業員が自主的に始めた「お客さまの声ノート」では、お客さまから口頭でいただいた質問や指摘などをノートに書き留めて、各部門で共有し、できることはすぐに実行するようにしています。顧客の要望の実現や不満の解消に着実に取り組んできたことが、商品の見つけやすさや売場の清潔さ・快適さへの評価につながったのだと感じています。
──そうした商品面・接客面での心配りが顧客に支持される店づくりの基盤になっているのですね。
山口 そうですね。われわれは往々にして、価格の安さ、プロモーションの優劣、品揃えの豊富さなどを店選びの基準だととらえがちです。もちろんこれらも重要ですが、「あの店で嬉しいことがあった」という体験も店を選ぶうえでの大切な要素ではないでしょうか。
当社では店舗スタッフが「お客さまの“嬉しい”をつくろう」をテーマに、自主的にお客さまが笑顔になれる具体的な活動に取り組んでくれました。このテーマは次第に「お客さまの“嬉しい”を拾いにいこう」に変化し、従業員から積極的にお声がけをするようになりました。このようなことが現場で起こっていることが非常に大きいです。そうした積み重ねが店舗の文化になる、ひいては企業風土に醸成されるのだと思います。
今後さらに支持されるために、
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