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アークス21年2月期決算、過去最高売上高を記録 来期はコロナ禍ひと段落で減収減益の見通し

アークス(北海道/横山清社長)は4月20日、2021年2月期決算説明会を実施した。4月14日には栃木県内を中心にスーパーマーケット(SM)を展開するオータニ(大谷章社長)を完全子会社化するなど、動きのあったアークス。その21年決算の内容はどのようなものか。

過去最高売上高を記録、大幅な増収増益

 アークスの21年2月期連結決算は、売上高が対前期比7.3%増の5569億4000万円と過去最高を記録。営業利益は177億4000万円(同46.4%増)、経常利益は195億円(同41.9%増)で、こちらも過去最高益を達成、大幅な増収増益となった。また、純利益は129億6000万円(同88.7%増)で、過去2番目の水準となっている。

 増収増益の要因としては、コロナ特需や巣ごもり・内食需要の増加が挙げられる。四半期ごとに見ていくと、コロナの影響が最も大きかった第1四半期の売上高伸長率が対前年同期比111.5%と最も高く、第2四半期では同108.4%、第3四半期では同106.0%とやや落ち着きを見せつつも、最終的に第4四半期でも同103.4%と増収を維持した。

 主要6社(ラルズ、ユニバース、ベルジョイス、福原、道北アークス、東光ストア)の業績も大幅な増収増益だった。6社合計で約266億円の増収および約45億円の増益となった。

 出店状況に関しては、道北アークス(北海道/六車亮社長)が20年5月に「スーパーチェーンふじ」の3店舗を閉店した一方、6月には「スーパーアークス豊岡3条」(北海道旭川市)を新規出店。また、11月にラルズ(北海道/猫宮一久社長)が「スーパーアークス東稲穂店」(北海道札幌市)を、伊藤チェーン(宮城県/伊藤吉一社長)が「イトーチェーンゆりあげ食彩館」(宮城県名取市)をオープンするなどし、結果として期末のグループ総店舗数は344店舗(北海道220店舗、青森県38店舗、岩手県68店舗、秋田県1店舗、宮城県17店舗)となった。

来期見通しは減収減益

 来期についてアークスは、来期は新型コロナウイルスワクチンの普及などによってコロナ禍が収束に向かうと見込まれることや、自粛疲れなどから再び外食需要も回復していくと予想しており、業績は減収減益、約19億円の減益幅になるとの見方を示した。ただし、4月にグループ入りしたオータニの業績が来期から加算されるため、オータニの業績貢献によって減益幅は約15.5億円に縮小するとも予想している。

 一方、売上高の減少をカバーするため販管費の圧縮を重要視し、グループ全体でのDX化をより一層推進する。グループ共通のポイントカード「アークスRARAカード」の購入情報と連携したマーケティング強化や、自社アプリの機能拡充を通じたデジタル販促などに取り組む方針だ。また、19年10月に本格稼働した新基幹システムの導入拡大によって、グループ内での業務効率化を図る。
アークスの横山清社長は、「食品小売は時代の大きな転換点を迎えている。格差が一気に開き、業界再編は免れない。食に関する家庭のニューノーマルにいち早く対応することが必要不可欠」と語り、説明会を締め括った。