本部を構える兵庫県のほか大阪府、奈良県で事業展開する関西スーパーマーケット(福谷耕治社長)。ここ数年、新たな品揃え、店づくりを波及させる改装が奏功し好調を続ける。商勢圏では競争が激化する中、2022年3月期以降、次代をにらみ生産性の向上や物流センターの整備などに取り組む。同社の福谷耕治社長に事業展望、戦略を聞いた。
4期連続の増収増益で着地
──新型コロナウイルス(コロナ)感染拡大で混乱が続いています。この1年をどう振り返りますか。
福谷 内食への需要が高まり、全国的に食品スーパー(SM)の利用が拡大しました。当社も2021年3月期上期(4~9月)の既存店売上高は対前年同期比4.7%増と伸長、下期も同様の傾向で上期に近い数値で着地しそうです。
お客さまのまとめ買い行動の定着により、一時は買物頻度が低下し客数が減りました。しかし昨夏以来、各種取り組みにより客数は徐々に回復し、昨年10月以降は前期並みをキープするに至っています。ただし伸びている店舗がある半面、依然として同20%減程度で推移する店舗があるのも事実。店舗の立地や商圏特性によるところが大きいのですが、原因を追究し対策を講じる必要があると思っています。
──コロナ禍の内食回帰によって業績が好調に転じた企業と違い、関西スーパーマーケットは近年ずっと好調を続けています。
福谷 改装を通じ新しい品揃え、店づくりを既存店に波及させており、それがお客さまに受け入れられた成果だと見ています。このペースだと21年3月期まで、連結ベースでも単体ベースでも4期連続の増収増益を達成する見込みです。ここ3年間、客数、客単価、一品単価、買い上げ点数は前年実績をクリア、いい感じだと見ていたところに襲ったのがコロナ禍でした。
──今後は、どのような施策を打ちますか。
福谷 やがてコロナ禍の影響でデフレトレンドが定着、SMを取り巻く環境は厳しくなるのは間違いありません。そういった状況に対し、お客さまの来店頻度を高めるほか、生産性を向上する施策に取り組みたい。
消費者の購買行動は、以前とは大きく変化しています。SMという業態が日本で生まれて約60年。これまでの成功体験が通じない時代が到来したと痛感しています。今、コロナ禍で一時的に追い風が吹いている間に、進めておくべき対策があると考えています。
25年までに全店を改装
──数年来、進めている改装とはどのようなものですか。
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