SM3店舗とDS型3店舗が至近激突! 業態間の価格差は縮小傾向に
2019年10月の消費増税に加え、コロナ禍による不景気の到来で、消費者はますます節約志向を高めることが予想される。そうしたなか、「ドン・キホーテ」などのディスカウントストア(DS)に加え、「オーケー」や「ロピア」といったディスカウント系食品スーパー(SM)など、価格訴求型の店舗の存在感が増している。本稿では、神奈川県川崎市宮前区の東急田園都市線「宮崎台」駅周辺を調査し、価格訴求型店舗の優位性について探ってみた。(調査日:2020年10月11日)
6店舗の戦略
地域いちばんの低価格をめざすオーケー
今回調査を実施した東急田園都市線「宮崎台」駅周辺は、マンションなどの集合住宅や一戸建ての開発が進むベッドタウンとして、近年発展しているエリアだ。「オーケー宮崎台店」「ロピア馬ま 絹ぎぬ店」「ドン・キホーテ東名川崎店」というDS志向型の3店舗と、「ライフ宮崎台店」「東急ストア宮崎台店」「いなげや川崎宮前平駅前店」というSM3店舗が競合する激戦区でもある。
まずはDS志向型の3店舗から見ていこう。オーケー(神奈川県/二宮涼太郎社長)はEDLP(エブリデー・ロー・プライス)を掲げ、首都圏のディスカウント系SMとして近年その地位を盤石なものにしつつある企業だ。同社の価格政策は、日配、加工食品、酒、菓子等で競合店の価格に徹底的に対抗するというもので、常に地域いちばんの低価格をめざしている。さらに、酒類を除く食品の本体価格から「3%相当額」の割引を受けることができる独自の会員プログラム「オーケークラブ」を展開しているのも特徴だ。
そんな同社が20年3月に出店したのが、オーケー宮崎台店である。同店は「宮崎台」駅から徒歩約3分の場所にある。商品は基本的にナショナルブランド(NB)で売れ筋を中心に構成されている。ただし、醤油はヤマサ醤油、パスタは日本製粉など、1つのメーカーに商品を絞っているカテゴリーもあるほか、大半のSMで取り扱っているネスレ「ゴールドブレンド80g」や伊藤園「お~いお茶2ℓ」、「コカ・コーラ1.5ℓ」といった売れ筋商品は取り扱っていないなど、独特の商品構成となっている。
価格面では、
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