ヒライ代表取締役社長 平井浩一郎
九州地方で総菜専門チェーン「おべんとうのヒライ」を展開するヒライ(熊本県/平井浩一郎社長)。主力の総菜・弁当に加え、飲料や加工食品などの物販スペース、うどんやカレーなどを安価で提供する飲食スペースも併設するという特徴的なフォーマットで成長を遂げてきた。新型コロナウイルスの影響を大きく受けた総菜マーケットは、今後どのようにして復活を遂げていくべきなのか。同社社長で、日本惣菜協会会長も務める平井社長に聞いた。
既存店売上高はすでに回復基調
──ヒライでは主力の総菜専門店は路面店のほか、食品スーパー(SM)や商業施設へのテナント出店も行っています。昨今の新型コロナウイルスの影響はいかがでしたか。
平井 われわれは総菜専門店のほかに外食事業や仕出し事業も展開していますが、それらを含めたグループ全体の収益で見ると、とくに影響が大きかった4月は月間で、グループ全体で1億円ほどの赤字を計上しました。
このうち主力の総菜専門店は、いちばん落ち込んだ時期の既存店売上高で、路面店は前年同期比70%、テナント店は同80%程度まで下がりました。その一方で興味深かったのは、ディスカウントストア(DS)に出店している店舗だけはほとんど売上が落ちなかった点です。これは、コロナ禍でのまとめ買い需要を価格優位性のあるDSが多く取り込み、客数が増えた結果、われわれの店舗も多くのお客さまにご利用いただけたためだと推測されます。
──そうした状況下で社内ではどのような取り組みを行いましたか。
平井 幸い、総菜小売事業の既存店売上高は6月には回復基調に戻り、7月には前年同期比101%になるまで回復しています。総菜だけでなくコンビニエンスストア(CVS)とほぼ同等の品揃えの物販部門、軽食を提供する飲食スペースを融合させた独自のフォーマットが、コロナ禍という未曾有の状況下でも、われわれの使命である「食のライフライン」としてしっかり機能しているのだと思います。
一方で、利益確保のための取り組みにも力を注ぎました。具体的には
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