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脱チラシが有事の際の「復原力」に!「集める」から「集まる」店舗集客への転換策

こんにちは、成田直人です。この連載で「アフターコロナの世界は、資本(広告)で顧客を集めるのではなく、評判で顧客が集まる時代になる」という話をしました。今回は、どうしたらアフターコロナで生き残り続ける店になれるのか?についてお話をします。

metamorworks/istock

お客の記憶に残り、気にかけてもらえる店になるには?

 新型コロナウィルス感染拡大の影響により、これまで安定していた「集客」が難しくなったお店が多いです。あなたのお店はいかがでしょうか。

 一部の業態(スーパーマーケットやドラッグストア)以外は顧客が減って大変な状況になっているかと思います。最近私の友人も飲食店の撤退をフェイスブックで表明し、なんともいえない悲しい気持ちになりました。

 ここにきて都道府県独自の緊急事態宣言や警報の発動も行われており、「店頭から顧客がまたいなくなる・・・」という不安を抱えていることと思います。

 今回は、そんな不安をお感じの皆さまに、私のクライアントが実践していることを紹介します。これが一つの希望になれば幸いです。

 ただし、即効性がある取り組みではないので、当面は新たに取り入れられそうな補助金や給付金をしっかりと調べて乗り切るしかないと思います。小手先でなんとかなる局面ではないため出来うる限りの備えをしていきましょう。

 これまでの集客の定番は、「広告」「チラシ」を利用した集客手法でした。この方法は、会社も店も商品のことも、何も知らない人に認知してもらい来店してもらう手法です。見込みのお客さまは完全に情報を【見る】ことになり受動的になります。受動的な顧客で店を運営していると今回のような有事の際にすぐに忘れられる存在となってしまいます。

 では、どうしたら記憶に残り、有事の際真っ先に思い出してもらえる店になるのか?そして「あの店大丈夫かな?何か力になれることないかな?」と顧客自らがネット検索(SNS)して、クラウドファンディングによる事前購入チケット(飲食店であればテイクアウトの利用も)があればすぐに購入してくれるような顧客で溢れるのでしょうか?

 それは、「受動的な顧客」よりも「ファン化している顧客」を増やす活動に他なりません。

口コミに対する期待値の高さが、初回来店の理由

 初回の来店は基本的に【口コミに対する期待値が高い】ことが理由です。グーグル上で「ラーメン」「イタリアン」「ホームセンター」「ドラッグストア」と記入して検索される、口コミ型集客が望ましいです。この時点で口コミ点数が低い店は努力をして高める必要があります(即効性がないというのはこれが理由です)。

 あなたの店は顧客にすぐに忘れられる店ですか?それとも心配されて自ら探してもらえる店ですか?私も愛着のある飲食店から取り寄せもテイクアウトもこれまで数えきれないほどやってきました。もちろんそれ以上に飲食店には足を運んでいます。愛着があるのも料理が美味しいだけではなく、名前を覚えてくれて、いつも気にしてくれて、暖かく受け入れてくれる、そして、何より仕事を楽しみSNSで積極的に発信しているから忘れようにも忘れられない存在です。

 これからの店舗ビジネスは間違いなく難しくなります。なぜなら小手先のテクニックで稼げなくなってきているからです。チラシのテクニックを学ぶよりも来店した顧客にとってなくてはならない存在になる店を作る必要があるからです。

 地域でなくてはならない店は、一朝一夕ではなりえません。徹底した店内清掃(感染対策)、商品管理、接客応対、顧客の欲しいものを品揃えするだけではなく、新しい商品やメニューとの出会いを作り、「想定外(感動)の体験」をしてもらう必要があります。

 そのためにも個々のスタッフの創造力を高めるためのトレーニングも必要になります。店もスタッフも日々のオペレーションをこなすのが一番楽ですが、顧客はどこでもえられるようなサービスをする店のことは一部の超大手企業以外はほぼ忘れられます。会社はもちろんのことスタッフ個々人まで顧客にどうしたら覚えてもらえるのか、記憶に留めてもらえるのかを真剣に考えて店づくりをしていくことが、高評価の口コミと膨大な口コミ件数につながります。そして、それが新しい顧客が集まる店へと成長することになるのです。

 地道でありますが、これが一番確実で長く商売を続ける秘訣ではないかと思います。「集める」を徐々に卒業して「集まる」店づくりをしていきましょう。

 

なりた・なおと
19歳でABCマートアルバイト個人売上日本一を獲得。マネージャーになり昨年度対比1位、2位の原動力となる。その後、PC専門店PCデポに入社し、7ヶ月で個人売上1億円を達成。翌年、「良い」よりも「成果が出る」をモットーに小売・サービス・飲食業専門コンサルティング会社「株式会社FamilySmile」を創業。現在は、一部上場企業を中心にコンサルティング・研修・講演を手がけ多くの店舗で昨年度対比120%を達成。中には、3年で売上2倍になる店も続出するほどコンサルティングには定評がある。その功績が認められ日本三大褒章の一つ中小企業のノーベル賞と言われる「東久邇宮文化褒章」を受賞。セミナー講師ナンバーワン決定戦「S-1グランプリ」初代グランプリを獲得。