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セブンナウVSローソン コンビニデリバリーの勝者はどっちだ?

コンビニ「再」成長戦略

積極出店による成長が難しくなるなか、コンビニエンスストア(CVS)各社は全国の店舗網を活用した新たな成長施策を加速させている。なかでも大きな動きが見られる施策の1つが、店舗商品の即時配送サービスだ。大手3社のなかでもセブン-イレブン・ジャパン(東京都:以下、セブン-イレブン)は自前で、ローソンはデリバリー事業者との連携により事業を拡大させている。両社の取り組みの最前線をレポートする。

セブン-イレブン
自前だからこその 収益構造やCRMに強み

 セブン-イレブンは2026年2月期までの5カ年中期経営計画において、店舗商品の即時配送サービス「7NOW(セブンナウ)」で売上高2000億円を達成する目標を掲げている。17年10月に実験を開始して以降、対象エリアを広げ、24年2月期には北海道・関東・広島・九州エリアの1万2000店へと一気に展開を拡大した。売上は順調に伸長しているという。

 「7NOW」は店舗から半径2㎞圏内を配送エリアとし、店舗で扱う約3000品目の商品を、注文から最短20分で届ける。1000円(税抜)から注文でき、配送料は300円(税抜)をベースにダイナミックプライシングで設定される仕組みだ。

 配送可能時間は10時から23時を原則としている。夕夜間を中心に幅広い時間帯で利用されており、時間帯での繁閑の波は店舗に比べて緩やかな傾向にある。配送可能時間を7時から27時半までに延長する実証実験を数百店舗で実施したところ、深夜帯の需要も確認できたため、今後エリア特性を見極めながら対応店舗を増やしていくことも検討している。

「7NOW」は、自前だからこその自社グループの顧客IDを活用したCRM戦略や、利用客や加盟店に即した柔軟なサービス設計で成長をめざす
セブン-イレブン企画本部ラストワンマイル推進部副総括マネジャーの石津直樹氏

 ユーザーの年齢層は20~40代の女性を中心に幅広い。セブン-イレブンのプライベートブランド(PB)商品をデリバリーでも注文できる利便性が支持されているほか、タイムパフォーマンス重視の生活や体調不良などのシーンでもよく利用されている。遠方で生活する高齢の親に代わって現役世代の子供が注文するというケースも想定よりも増えつつあり、今では全体の

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