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フジが行うフード&ドラッグ対策とは

フジ・リテイリング(愛媛県/山口普社長)は、プロセスセンター(PC)を活用、売場の効率運営に役立てる一方、生鮮食品の加工度を上げた食品スーパー(SM)ならではの商品を拡充する。また加工食品は、EDLP(エブリデー・ロープライス)政策を強化するほか、商品の価値を訴求する売り方も工夫。競争が激化するなか、「ドラッグストア(DgS)にはできない店づくり」で差別化を図っている。

PC整備・活用を進める

 愛媛県に本部を置き、四国全県のほか広島県、山口県の中四国エリアで事業展開するフジ・リテイリング。昨今はSMを主力に店舗網を拡大し、各地でマーケットシェアを高めている。

 ただ商勢圏は年々、競争が激化している。食品の扱いが大きいDgSのほか、ディスカウントストアなど食品の低価格を武器とする業態が台頭。これらの業態はとくに子育て世代の30~40代のファミリー層の利用が増えており、フジ・リテイリングとしても影響は大きい。同社の仙波保幸常務(商品事業本部長)は、「なかでも強く警戒しているのはDgS。出店意欲が旺盛で、最近はラインロビングにより、日配品、酒類、さらに生鮮食品などSMの領域へ急速に入ってきている」と話す。

フジ・リテイリングの仙波保幸常務(商品事業本部長)

 こうした厳しい状況に対し、フジ・リテイリングでは目下、「食生活提案型マーケット」を掲げ、単品からメニュー提案まで、さまざまな切り口での「食提案」に力を入れている。鮮度にこだわった生鮮食品の品揃えをさらに追求するほか、素材の加工度を上げた即食・簡便商材の充実も図り、多様な食シーンへの対応力を磨いている。

 その施策の中で威力を発揮するのが、生鮮向けのPCだ。売場の効率運営に貢献するだけでなく、低減した作業人時を使い、付加価値を持つ商品を店内加工することも可能になる。同社ではここ数年、PCを計画的、かつ戦略的に整備してきた。

 2019年に精肉向けの「精肉第2センター」、「鮮魚プロセスセンター」を新設したほか、総菜を扱う「フジデリカ・クオリティ本社工場」を再整備。20年には青果を扱う「フジ・アグリフーズ本社流通センター」も建て替え再稼働させている。

生鮮のうち差別化部門として力を入れる鮮魚。PCの活用で以前と売場は大きく様変わりしている

 フジ・リテイリングはこれらPCを活用して生鮮各部門の品揃え、売場づくりを見直してきた。とくに後述する鮮魚は差別化部門として力を入れる。長年赤字に悩まされてきた部門だが、20年度には黒字転換に成功。今期も店舗、センターとも黒字での着地を見込むなど成果を出している。

 一方、

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