バローが展開する食品スーパー(SM)で、最も大きな売上高を誇るのが高辻店(愛知県名古屋市)だ。有力店がひしめく“超”激戦区にあり、強化した生鮮各部門により広域から集客、連日、多くのお客でにぎわう。同店ではどのような手法で品揃え、売場づくりを行っているのか。現地に足を運び、その取り組みをレポートする。
生鮮部門の面積比率は5割超
「スーパーマーケットバロー高辻店」(以下、高辻店)のオープンは2018年12月。売場面積996坪で、バローの店舗としては大型店に分類される。
名古屋市の繁華街、金山エリアに立地。最寄りのJR東海、名古屋市営地下鉄、および名古屋鉄道の「金山」駅から東1.1kmの場所に、単独で店舗を構える。店舗南すぐに愛知県道29号線が通っており、クルマでのアクセスは良好。店前面、屋上計で398台収容可能な駐車場を備える。
商圏は、店がある昭和区に加え、隣接する瑞穂区、熱田区に居住の合計約14万世帯を想定。厚い住宅地が広がっており、30~40歳代の、所得水準の比較的高い層を含む、ファミリー層が多い。SMにとっては魅力的なマーケットを抱える。
反面、競争は激しい。半径3㎞には、競合するSMが約30店舗もある。中には「イオン熱田店」、フィールコーポレーション(愛知県)の「シャンピアポート」といった、年商40億円超の有力企業のフラッグシップ店も含まれ、“超”激戦区となっている。
こうした熾烈な環境の中でも、18年12月の開業以来、高辻店は着実に消費者の支持を獲得してきた。「今年は過去最高の売上をつくれるよう皆でがんばっている」。こう話すのは、須貝和行店長である。
あらためて高辻店の店づくりに目を向けると、大きな特徴は、生鮮食品を強化、来店目的性を高めた「デスティネーション・ストア」(D・S)であること。総売場に占める、農産、海産、畜産の生鮮3部門を合わせた面積比率は
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