ここまで見てきたように、万代の強さの源泉として、近年の「生鮮・総菜の進化」は大きなウエートを占める。本稿では本誌おなじみの売場・商品の専門家、KTMプラニングRの海蔵寺りかこ氏が大阪市内の複数店舗を調査し、生鮮進化の最前線に迫った。
「ふつうのSM」から「注目される存在」に
高校卒業までのほとんどを関西圏で過ごした筆者にとって、万代といえば旧社名の「万代百貨店」(1989年に万代へ社名変更)のイメージも強い。その後食品小売業界に身を置いて以降は、ボリュームゾーンからその少し下をターゲットとした関西地盤の食品スーパー(SM)として認識しつつも、“意識”するような存在ではなかった。直近では2年ほど前に万代の店舗をいくつか訪れているが、やはり大きなインパクトを受けることはなかったのが実のところである。
しかし、その後業界関係者から「万代に勢いがある」「生鮮の品質が以前に増してよくなった」「(関西に進出した)ロピアにも対抗できている」といった評判を聞くようになった。そんなタイミングで、今回の「万代特集」におけるMD調査の依頼を受けたわけだ。
今回訪問した店は、万代が本部を置く東大阪市の南に位置する八尾市内の3店舗と、今年5月にオープンした高槻市内の新店1店舗の計4店舗。いずれも立地、売場サイズ、店舗年齢は大きく異なる。それらの店舗を訪れ、進化が著しいという生鮮および総菜を中心に売場や商品を分析し、万代の強さの“源泉”を探ってみた。
「安さ」と「こだわり」が直感でわかる旗艦店
まずは
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