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米アマゾンの物流大改革、「リージョナリゼーション」とは何か?

アマゾン(Amazon.com)が 米国で物流ネットワークの大改革に挑んでいると、米『ウォール・ストリート・ジャーナル』紙が2023年5月に報じた。荷物の移動距離を減らして配達を迅速化するほか、収益性の改善もねらっているという。

コロナ禍で増えすぎた物流資源 

アマゾンは既存の物流システムの見直しを進めている

 アマゾンの幹部やアナリストらによると、同社では物流網の大幅な見直しにより配送時間が短縮され、在庫管理の仕組みが改善、コスト構造の改革にも寄与しているという。

 アマゾンはコロナ禍におけるECの需要増を受け、物流資源を大幅に増やした。フルフィルメントセンター(FC)やソートセンター(仕分けセンター)、デリバリーステーション(宅配ステーション)などを2年でほぼ2倍に拡大した。カナダのサプライチェーン・物流コンサルティング会社、MWPVLインターナショナルによれば、アマゾンは米国全土に1000以上の物流拠点を構えている。

 だが、パンデミック下の巣ごもり需要が一服すると事業成長が鈍化した。こうしたなか、アマゾンは過剰になった物流資源を減らしてコスト削減を図っている。一方で、同社は配送スピードと事業成長には相関関係があるとみている。

物流システムを徹底見直し

 そこで、これまで何年も行ってきた物流のシステムを見直した。同社はかつて米国内の配送網を全国モデルで運営しており、顧客が望む商品を届けるためには例えコストがかかろうと全米規模で移動させていた。だが過去1年でこの方式を改め、

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