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イオングループが「イヴ・ロシェ」ブランドを独占販売 ナチュラル&オーガニックコスメ市場は拡大するか

オン(千葉県)はフランスのナチュラル&オーガニックコスメ「YVES ROCHE(イヴ・ロシェ)」ブランドを2019年11月中旬から日本で独占販売する。それに伴い連結子会社のウエルシアホールディングス(東京都:以下、ウエルシアHD)と合同出資会社イオンレーヴコスメ(千葉県)を設立した。2025年には合計2000店舗で「イヴ・ロシェ」ブランドを販売する計画だ。

「イヴ・ロシェ」ブランドは、フランス発の“ナチュラルプチプラコスメ”だ

フランス発、“ナチュラルプチプラコスメ”

 イオンが11月中旬から独占販売する「イヴ・ロシェ」ブランドは、フランス発の“ナチュラルプチプラコスメ”だ。

 1959年にフランス北西部、ブルターニュ地方の村ラ・ガシリで誕生。天然由来の原料を使用した高品質な商品づくりが消費者から支持され、現在は100の国・地域で販売されている。ヘアケアやボディケア、スキンケア、フレグランスなどラインアップは1000SKU以上。創業から60年でフランスのコスメ市場の5%のシェアを握るまで成長した。

 「イヴ・ロシェ」ブランドの強みは何といっても価格だ。

  同じフランスの自然派コスメブランド「L’OCCITANE(ロクシタン)」のハンドクリーム(30ml)が1400円(本体価格:以下同じ)のところ、「イヴ・ロシェ」のハンドクリーム(30ml)は800円と約4割も安い。日本のナチュラル&オーガニック市場へのインパクトは大きい。

  イオンのヘルス&ウエルネス事業担当責任者の難波廣幸氏は次のように説明する。

  「日本の消費者のナチュラル&オーガニックコスメに対するイメージは、ポジティブなものだと『敏感肌にも安心なイメージ』『天然アロマでリラックス』などがある。半面、『価格が高いから続けられない』『買える店舗が少ない』といったネガティブなイメージもある。日本は世界第3位の化粧品大国の割には、ナチュラル&オーガニックコスメ市場が拡大しきれていないのが現状だ。世界のナチュラル&オーガニックコスメ市場の成長見通しは年平均9.4%だが、日本の同5%強とギャップがある。この要因の1つとして考えられるのは価格。それに売場(買場)が少ないというのが日本でナチュラル&オーガニックコスメ市場が拡大しきれていない大きな要因だと考えている」

 

8月30日の記者会見では、イオンのヘルス&ウエルネス事業担当責任者の難波氏やウエルシアHDの池野会長が登壇

ウエルシア薬局はゴンドラ12本で展開

 「イヴ・ロシェ」ブランドは201911月中旬から関東エリア(東京都・神奈川県・埼玉県・千葉県)のイオンリテール70店舗、ウエルシア薬局30店舗、ダイエーの「ボタニカルショップ」5店舗、そしてEコマースで販売を開始する。

  販売開始第1弾は39アイテムで、順次ラインアップを拡充していく。20年には全国拡大し、25年には合計2000店舗で「イヴ・ロシェ」ブランドを展開する計画だ。

 イオンレーヴコスメに30%出資するウエルシアHDの池野隆光会長は次のように話す。

 「日本でナチュラル&オーガニックコスメが求められているのは確かだ。お客さまからの要望も多い。ブランドは多くあるが、価格が高いこととSKU数が少ないことが課題だ。その点、『イヴ・ロシェ』ブランドは、価格はそれほど高くはなく、ラインアップも多いので日常使いができるコスメだと理解している。ウエルシア薬局では30店舗で販売をスタートするが、いずれは全店舗で販売できるよう努力をしていく」

 ウエルシア薬局商品本部化粧品部長の小川美恵氏は「ウエルシア薬局の店ではゴンドラ1本もしくは2本で展開する予定だ。シティ型ドラッグストアのB.B.ON(ビビオン)日本橋店やウエルシアO-GUARD新宿店ではゴンドラ2本での展開になるだろう」と話している。