スギホールディングス(愛知県)の2019年2月期業績(連結)は、売上高は対前期比6.9%増の4884億円、営業利益は同4.3%増の258億円、経常利益は同5.2%増の272億円、当期純利益は同9.3%増の179億円だった。期中の新規出店は102店舗と、初めて3ケタの大台に乗った。なぜ3ケタの店舗数を新規出店できるようになったのか。
杉浦広一会長自ら店舗開発を陣頭指揮
スギホールディングスは2019年2月期に関東エリアに31、中部エリアに31、関西エリアに40の合計102店舗を出店した。一方、不採算等の17店舗を閉鎖。期末店舗数は対前期比85増の1190店舗となった。内訳は関東エリア298、中部エリア463、関西エリア429店舗だ。
店舗開発の陣頭指揮を執るスギホールディングスの杉浦一弘会長は次のように話す。
「当社は中部エリアを基点に店舗展開をスタートし、関西エリア、そして関東エリアと、人口が多く、あるいは医師数、薬剤師数が多くいる東名阪エリアに重点的にドミナント出店してきた。これは今後も変わらない。自社で手掛ける物流の効率、店舗の採算性、広告の効果、あるいは医療提供施設である調剤併設ドラッグストアとしての知名度、信頼度、効率を考慮すると、東名阪エリアのドミナント戦略が正しいと考えている」
開発担当者の一人ひとりの質が向上
「2019年2月期の新規出店数はようやく100店舗を超えた。『出店数ありき』で新規出店したつもりはない。2020年2月期は新規出店110店舗を計画している。現在までに決定している物件は100店舗。東名阪の各エリアに3分の1ずつで、一部、北陸エリアへの新規出店もある。北陸エリアはこれからの出店重点エリアだ」
「4月25日に原宿店を開業するが、新橋や赤坂などの東京都内、そして名古屋駅周辺、大阪市の繁華街も人口、医療、ヘルス、インバウンド需要を考慮すると新規出店の重点エリアになる。ただし、都心部は家賃がとても高く、競合企業と物件を取り合う状況なので、戦略的にも経営的にもプラスになる出店をしていかなければならない。新店投資は145億円を計画している」
なぜ100店舗超を新規出店できるようになったのか。
「開発担当者は十数人いる。(100超を新規出店できるようになったのは)開発担当者のレベルが上がってきたからだ。開発に対する意識、そしてどのように開発するかの行動、様式、あるいは開発においてお付き合いのあるパートナーさまのレベルが上がった。開発担当者の数を増やしたわけではないし、出店基準を緩くしたわけでもない。開発担当者の一人ひとりの質の向上だと考えている」