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新屋号は「ハンズ」 新ロゴに込められた新生ハンズの未来とは

ホームセンターのカインズ(埼玉県/高家正行社長)の子会社となったハンズ(東京都/桜井悟社長)は、10月26日、新たな屋号とロゴを発表した。都内で開かれた記者会見では、同社の会長を務めるカインズの高家社長が、ロゴに込められた思いや新生ハンズの展望について語った。

左から、桜井悟社長と高家正行会長。

新ロゴは引き続き、ハンズグリーンに手のイメージ

 ハンズは10月26日、新たな屋号とロゴを発表した。屋号は社名そのままに「ハンズ」とし、新たなロゴは原点である「手」を引き続き使用。新ロゴをデザインした、デザインオフィスnendo(東京都港区)代表の佐藤オオキ氏は、「日本の企業としてグローバルに発信していきたいと、あえて『手』という漢字を使用した」と述べた。

手のイメージ、ハンズグリーンを継承し、新たにデザインした

 「東急」「TOKYU」を含む商標その他、標章については、2024年3月末までにすべての使用を終了する。

「ハンズの原点に今一度立ち返る」

 高家会長は新ロゴへの思いとして「ハンズは手作りの大切さや、楽しさを顧客に伝える『手の復権』を創業以来大切にしてきており、いま一度原点に立ち返りたいと考えた。また、ただ原点に立ち返るのではなく、変わりゆく社会の中でどのような価値をハンズが提供していけるかを考えてく必要があると考えた」とした。

 そのうえで、「カインズと共にグループの強みを生かし、お客様の『より良い暮らし』『生活文化の創造』の実現に向けて取り組んでいきたい」と、①新しい文化の芽が見つかる ②クリエイティブが始まる ③ホンモノにこだわる ④わたしらしく毎日を作る ⑤丁寧に暮らす ⑥季節を大切にする ⑦アガル楽しさに出会う、の7つの価値観を打ち出していく。

 

高家会長が描く新生ハンズとは

 新生ハンズは、7つの価値観を打ち出していくために、販売戦略とMD(商品政策)戦略の2本立てで展開をしていく。まず販売戦略では「ハンズの店員が持つ深い商品知識を、店舗に来店しない顧客にも伝えられるようなデジタル戦略を今後考えたい」とした。

 MD戦略としてはハンズの改装を挙げた。まず、新たなロゴ看板への変更を進める。今年11月上旬に新規オープンの「名古屋松坂屋店」、2023年春には「渋谷店」、同年夏には「新宿店」と、順次切り替えを実施していく。また、これまでハンズでは、店舗ごとに独自の棚割を行ってきたが、今後はそれに加え、全店共通の定番の棚割を設定することで、ハンズ全体で「7つの価値」を訴求していく。

 さらに、PB開発にも挑戦する。「カインズの持つ商品製造力と、ハンズの目利き力・提案力を活かしていきたい」と高家会長は述べた。

新生ハンズを顧客に訴求していくため、10月27日からはハンズ各店舗で、新ロゴの紙袋の無料配布などを行う。

「決して一つのブランドとして融合するわけではない」

高家会長は統合について「あくまで『共創のパートナーシップ』であり、ハンズとカインズが一つのブランドとして統合されていくわけではない」と改めて強調した。

郊外の大型店を展開するカインズと、都市部に小型店を展開するハンズ、両者の持つ店舗網は補完性が高いとした。

そのうえで、「店員の商品知識の豊富さなど、ハンズにはハンズの価値がある。両者の良さを生かし、顧客にアプローチしていきたい。例えば『梅雨対策』といった同じ企画を実施するにしても、両者が違ったアプローチを仕掛けていくことができるのではないかと考えている」と2社の今後について高家会長は語った。