国際情勢や円安などの影響で高騰している輸入食材。農林水産省は食品の製造・供給の安定化を目的に、輸入原材料から国産原材料に切り替える事業者を対象にする『輸入小麦等食品原材料価格高騰緊急対策事業』を実施。今年6月から7月に第1回目の公募が行われ、9月から第2回目の公募が行われている。締め切りは明日10月14日17時。対象はスーパーマーケットの総菜や食品メーカー、飲食店など。交付される補助金は100万円から最大2億円のため、駆け込みでも挑戦する価値は十分。補助金のポイントや申し込み方法の内容をまとめた。
スーパーマーケットの総菜、食品工場も対象!
対象者は、高騰している輸入食品原材料を使っている食品製造事業者や飲食事業者、またはそれらと共に事業を行う予定がある事業者。
個人から大手企業まで、事業規模は不問。飲食店や惣菜製造業者、給食事業者、食品メーカー、そしてバックヤードで輸入食品原材料を使うようなスーパーマーケットなどの食品小売業も対象となる。
対象の事業は、①輸入原材料を切り替えた新商品などの生産・販売。②原材料の使用コストを削減した新商品などの生産・販売、新たな生産方法の導入などの取り組み。
上記①の例の場合、輸入小麦を使ったパンを米粉や国産小麦に切り替えたり、輸入大豆から国産大豆に切り替えた豆腐といった商品の開発にかかる経費などが補助金の対象となる。②の例では、蕎麦などの原材料混合比率の変更にかかる経費、ノンフライ製法への転換にかかる経費、揚げ油劣化の防止装置にかかる経費など。
対象となる具体的な経費は、①新商品開発費。②原材料切り替えなどに伴う機械の導入、製造ラインの変更・増設費。③食品表示変更に伴う包装資材の更新。④新商品の販促費。⑤新商品市販のための原材料費など。
中でも⑤の原材料の対象品目は小麦粉のほか、大豆やなたね、パーム油、牛肉、豚肉、鶏肉、粉卵、加糖調製品、その他、使用する輸入食品原材料の調達価格が、過去5年中、任意の3年間の平均値と直近3ヶ月間を比べて120%以上価格が高騰している食品が広く対象になる。
すべて国産原材料に切り替える必要はなし
注意したいのは、ウクライナ情勢などを受けて間接的に値上がりしている国産原材料から別の国産原材料を使う場合は対象にならない点だ。
申し込み方法はHP(https://www.lapita.jp/maff/yunyu-komugi/2022/second/index.html)より所定のフォーマットをダウンロードし、必要事項を記載、必要書類を添えてネットから申請。公募選定委員会による採択が決定したら改めて補助金交付申請書類を提出する。補助金交付決定の知らせは11月以降を予定しているという。
申し込みには対象となる輸入原材料の価格高騰を証明する書類(すでに価格が高騰していると証明されている小麦粉のほか、大豆やなたね、パーム油、牛肉、豚肉、鶏肉、粉卵、加糖調製品は不要)。対象となる輸入原材料が原料であることを証明する書類。対象となる輸入原材料を各1年以上使っている実績を証明する書類が必要。なお、所定フォーマットの記載事項の中で、原材料を切り替える新商品などの「事業実施計画書」が必要だが、経費の数字は概算でも可能だ。
締め切りは明日10月14日17時まで。この機会を有効に活かしたい。