安さだけではモノが売れなくなりつつある昨今、食品スーパー(SM)でも価値訴求型の商品政策に取り組む企業が増えている。そうしたなか、エース(兵庫県/冨沢高志社長)は長年こだわりの食料品を取り扱っており、主力業態の「北野エース」を中心とするグロサリー専門店を展開している。同社はどのような戦略で商品開発や売場づくりを行っているのか。その秘密に迫る。
地元商品を積極的に取り扱う
エースの創業は1962年。もともとは食料品のほか、衣料品や雑貨も取り扱う総合スーパー(GMS)として事業がスタートした。しかし、すべてのカテゴリーを直営で展開していたわけではない。レジや店舗運営はエースが統括していたが、食品の中でエースが運営していたのはグロサリーのみ。生鮮食品や総菜などは専門性の高いテナントを誘致していた。
現在の「北野エース」の原型ができたのは今から約20年前。関西を地盤としていたエースが関東に進出するにあたり、「何か新しいことができないか」と開発されたのがグロサリーに特化した専門店だ。上席執行役員の尾地貴志氏は「当時は大手を中心にSMやGMSの出店が加速していた時代で、地方の小規模な企業だった当社は苦戦していた。その打開策として、自分たちの強みであるグロサリーと店舗運営力を生かした新業態開発に取り組んだ」と話す。2003年には「北野エース 東武船橋店」(千葉県船橋市)をオープンした。
商品政策では、
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