コンビニエンスストア(CVS)大手のファミリーマート(東京都/細見研介社長)は、食品小売企業のリーディングカンパニーとして、先進的にサステナビリティを推進している1社だ。サステナビリティを「成長の原動力」ととらえて高い数値目標を据え、社員、加盟店、取引先を巻き込みながら、数々の独自性のある施策を推進している。
食堂やフードドライブ…加盟店とともに活動
ファミリーマートがサステナビリティ活動を加速させたのは2019年。CSR・総務部が管轄していた体制から、新たにサステナビリティ活動を専門的に行う部署「サステナビリティ推進部」を設立した。そして優先的に取り組むべき重要課題として「①環境配慮を通じた『地域と地球の未来』への貢献」「②人に寄り添う地域活性化拠点としての進化」「③『便利で豊かな生活』を実現する安全・安心な商品・サービスの創出」「④お取引先とともに持続可能なサプライチェーンを追求」「⑤働きがいのある組織風土・人づくり」の5つを設定。現在サステナビリティ推進部では、「環境推進」「CSR推進」「ダイバーシティ推進」の3グループにわかれ、5つの重要課題への対策を推し進めている。「ダイバーシティ推進」だけで1つのグループを設けるなど、確立された体制のもとサステナビリティを実践している。
そして22年4月に発表した24年度までの中期経営計画では、新しい成長のためのテーマの1つに「独自性のあるSDGs(持続可能な開発目標)推進」を挙げた。サステナビリティを組織を挙げて取り組むべき経営戦略の重要テーマと位置づけている。その理由について同社執行役員管理本部サステナビリティ推進部部長の岩崎浩氏は次のように説明する。「かつてCVSを選ぶ基準は『便利なサービス』『おいしい商品』が中心だった。昨今はここに『持続可能性』という要素が加わりつつある。とくに今後、重要な客層となるZ世代をはじめとする若年層はサステナビリティへの意識が高く、これに取り組むことは企業の『付加価値』になる」。
こうしたなかファミリーマートがサステナビリティ推進で意識しているのが、独自性だ。他社とは異なる
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