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イトーヨーカ堂新社長、山本哲也氏が語るGMS復活とネットスーパー成長戦略

セブン&アイ・ホールディングス(東京都/井阪隆一社長)傘下で総合スーパー(GMS)を展開するイトーヨーカ堂(東京都)。近年はGMS業態の構造不況を脱するべく既存店の改革に注力しつつ、新たな成長の軸としてネットスーパーも強化している。直近の取り組みについて、2022年3月に新たに就任した山本哲也社長に聞いた。

商圏特性に合わせた既存店改装で成果

──イトーヨーカ堂の現状をどのようにとらえていますか。

山本 哲也(やまもと・てつや)
●1969年10月14日生まれ。96年9月、イトーヨーカ堂入社。2007年9月人事部マネジャー、16年9月改革推進部(当時)総括マネジャー。17年2月経営企画部総括マネジャー、18年3月執行役員経営企画室長。20年3月取締役執行役員管理本部長、21年3月取締役常務執行役員管理本部長。22年3月、代表取締役社長に就任(現任)

山本 2016年2月期に創業以降初の赤字決算となった後、17年2月に私が経営企画部門に着任した当時を振り返ると、店舗の現場も本部もお客さまをきちんと見ていませんでした。店舗は常に本部を向いて本部から指示された仕事をこなすことが企業風土となり、「お客さまに喜んでもらう」という意識に欠けていたと反省しています。

 お客さまに喜んでもらえる企業になるためには、従業員の意識と行動を変え、負の企業風土を正常化させることが何よりも重要です。この5年にわたって当時の三枝富博社長(現会長)のもと、試行錯誤しながら再成長に向けた種をまいてきました。企業風土の改革に根強く取り組みながら、不採算店舗や不採算事業を整理しています。一連の構造改革は22年度末までに完了する見込みです。

 構造改革にようやくめどが立つとともに、イトーヨーカ堂の成長軸が示され、再成長に向けていよいよ舵を切り、具体的な投資や準備を進める段階に入っています。16年以降、約80店舗の既存店を改装し、商圏のお客さまのニーズに合わせた館づくりの方向性が見えてきました。ネットスーパー事業では課題もある一方、大きなチャンスが広がっています。

──既存店の改装で見えてきたことはありますか。

山本 この

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