エイチ・ツー・オー(H2O)リテイリング(大阪府/荒木直也社長)傘下の食品スーパー(SM)2社と関西スーパーマーケット(関西スーパー、兵庫県)の経営統合により、売上高約4000億円の関西最大となる食品スーパー(SM)グループが誕生した。2月に関西スーパー(関西スーパー事業を承継する新会社)を含むSM3社を束ねる中間持ち株会社「関西フードマーケット(関西スーパーより商号変更)」が設立。競争が激化する中、今後いかに経営の舵を取るのか。関西フードマーケット社長の林克弘氏(兼H2Oリテイリング副社長)に事業展望や課題などを聞いた。
(インタビューは2022年1月上旬に実施、当時の林氏の肩書きは関西スーパーマーケット社長〈兼H2O副社長〉。本誌は2月1日発売のため、林氏の肩書きを関西フードマーケット社長と表記した)
オーケーも関西進出を表明
──関西スーパーマーケットとH2Oリテイリングの経営統合を巡り、最高裁は昨年12月、統合差し止めを求めていたオーケー(神奈川県/二宮涼太郎社長)の抗告を棄却。紆余曲折を経て統合が実現しました。今の率直な感想を聞かせてください。
林 ようやく当社の戦略を遂行するためのスタート台に立てたという気持ちです。今年1月から買取請求が開始され、2月に傘下グループSMを束ねる持ち株会社、関西フードマーケットが設立、詰めるべき仕事は少なくありません。とはいえ、まずは計画を実行するうえでひとつの区切りがついたと安心しています。
──今後、何に着手しますか。
林 当社では昨年4月から、阪急オアシス(大阪府/永田靖人社長)、イズミヤ(同/梅本友之社長)、カナート(大阪府/田渕正純社長)の店舗オペレーションを1つに統合する作業を進めてきました。施策ごとにマイルストーンを設定、各社の状況を把握しながら新しい体制となる方法、時期を見定め、作業を進めています。そこに関西スーパーマーケットも一緒にやっていくことになるわけですので、今一度、事業全体の設計図をつくり直すことが必要になるでしょう。
──難しい仕事ですね。
林 チェーンオペレーションはさまざまな要素が複雑に絡み合っており、決して簡単ではありません。既存の仕組みに対し、新しい要素を取り入れながら、調整を加えているところです。具体的には
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