山梨県を中心に食品スーパー(SM)40店舗超を展開するオギノ(荻野寛二社長)。同社は30年ほど前から、地方SMとしては異例の規模で物流領域への投資を積極的に行ってきた。コロナ禍では需要がひっ迫する中でも安定した商品供給を継続するなど、盤石の物流体制はオギノにとって重要な経営資源となっている。
積極的な物流への投資がコロナ禍で花咲く
コロナ禍では内食需要が急増し、「生鮮食品を中心に生活必需品を消費者へ安定的に供給する」という食品スーパー(SM)の使命があらためて問われることとなった。「お客さまが必要とする商品をいつでも十分に供給し、店舗を安定的に運営し続けることに、現場は非常に苦労した」と振り返るのは、オギノの荻野雄二専務。しかし、「長年にわたって商品の供給体制を確立してきたことが奏功し、結果としては店舗オペレーションに大きな影響を及ぼすことなく、コロナ禍での需要の急増に対しても商品を安定的に供給できた」と自信をのぞかせる。
言わずもがな、安定的な商品供給を行うためには強固な物流インフラが求められる。メーカーや卸から商品を効率よく集め、店舗の発注に合わせて確実に届けられる盤石の物流体制が構築されていなければ、とりわけコロナ禍のような有事において商品供給に支障をきたす。
オギノは、1993年に稼働を開始した「オギノ生鮮センター」(山梨県笛吹市)を皮切りに、SM業界において先進的に物流への投資を行ってきた企業の1つだ。「精肉」「鮮魚」「惣菜」のプロセスセンター(PC)機能を有する生鮮センターのほかに、これまでに「加工食品」「衣料品」「青果」など6つの物流センターを開設してきた。
同社が約30年も前から物流の領域に大規模な投資を実行してきた背景について荻野専務は、
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