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「日本酒類販売 70周年記念の会」 松川隆志会長のあいさつ

 この10月23日、帝国ホテル(東京都)にて、日本酒類販売(東京都/田中正昭社長)の70周年記念の会合が開かれた。ここでは冒頭の松川隆志会長の挨拶を抄録したい。(談:文責・千田直哉)

 

 日本酒類販売は酒販売の統制解除を受け、東京都(本社)と京都府(支店)で産声を上げたベンチャー企業。今年は創業70周年を迎えた。

 

 当社の場合、こうした式典は10年に1回であり、よく取引先の皆様からは、「会社の方針説明を聞いたことがない」といわれる。

 

 前回の会合は、リーマンショックのあった2008年の60周年記念のときだった。日本の総人口がピークアウトしたシンボリックな年だった。遡ること2年前の2006年には酒類販売が完全に自由化された。

 

 そこで当社が打ち出した方針は、ひとつめにコンビニエンスストア、GMS(総合スーパー)、ディスカウントストアに次ぐ販路を開発しようということだった。

 そこから10年が経過して、Eコマースやドラッグストアなどの新チャネルを獲得することができた。

 とくに6年前から開発に着手したEコマースの売上高は、現在130億円で2.5%の構成比となり、今度、「流通第5本部」として独立させることになった。

 

 2つめはシステムの構築、3つめは流通の知識を持ったセールスの育成で、4つめは取引様とのアライアランスの強化だ。

 

 わたしは、いずれもが一定の成果が得られたと自負している。

 

 社員に日本酒類販売の強みを尋ねると、「泥臭いこと」「あきらめない」「コツコツやる」といった声が上がって、初めは「前時代的だな」という感想をもった。

 しかし、よく考えてみると、それこそが商売の原点ではないかと改めた。

 この原点をベースにして新しい成長に取り組みたい。

 

 当社の強みは、取引企業数5万7040社という数だ。これをベースにナレッジによる理論武装に取組み、現場力をブラッシュアップし、進化させ、ストロンググッドカンパニーをめざす。

 

 これから酒税制度も大きく変わる。楽観はできないが80周年に向けて、全社一丸となって邁進したい。