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【夏休み中ですが⑤】コスモス薬品決算発表 食品は集客ドライバーだ

 コスモス薬品(福岡県/宇野正晃社長)は2014年5月期決算を発表した。ここでは決算発表を行った同社の柴田太取締役経営企画部長の発言を掲載する(談:文責・千田直哉)。

 

 

 コスモス薬品(連結)の売上高は3718億2500万円(対前期比12.9%増)、営業利益は167億700万円(同7.6%増)、経常利益181億9300万円(同8.4%増)、当期純利益は106億円(同12.8%増)だった。

 

 23期連続の2桁増収。営業利益、経常利益、当期純利益ともに6期連続で過去最高を記録した。

 

 部門別内訳は、医薬品が605億1600万円(構成比16.3%)、化粧品が427億6100万円(同11.5%)、雑貨が626億7000万円(同16.8%)、一般食品が1995億1700万円(同53.7%)、その他が63億5900万円(同1.7%)だった。食品を集客のドライバーと位置づけており、この売上減は客数減に直結すると捉えている。

 

 4月に消費税増税が実施され、生活者の可処分所得が減少することを見込み、「よい商品を1円でも安く」のコンセプトのもと、増税後も可能な限り、低価格戦略推進に努めた。これによって、第4四半期(2014年3月~5月)の収益性は若干低下したものの、第3四半期までの貯金があり、年間の累計では大きく業績を伸ばすことができた。

 

 新規出店は関西地区に12店舗、中国地区に13店舗、四国地区に11店舗、九州地区に36店舗の合計72店舗を開設した。同時に6店舗を閉鎖した。

 これにより2014年5月末の店舗数は、関西地区37店舗、中国地区73店舗、四国地区67店舗、九州地区400店舗の合計577店舗となった。

 2015年5月期は、九州地区に40店舗の出店を計画し、九州ドミナントの密度を濃いものにしていく。これまで九州地区は500店舗体制をドミナント完成のゴールとしてきたが、現在はより小商圏でも成り立つという自信を持つに至っており600店舗に修正、出店を継続する。

 

 九州地区外の出店については、2015年5月期に32店舗を計画する。関西地区、中国地区、四国地区で各10店舗前後になる見込み。九州地区と同じようにドミナントの密度を濃くし、中国地区と四国地区は、それぞれ200店舗、関西地区には1000店舗のネットワークを構築する。

 

 トピックスは、奈良県に初進出することである。来期以降については、滋賀県、和歌山県の他、三重県、岐阜県、愛知県という中部地区への進出も視野に入れている。

 

 コスモス薬品のビジネスモデルは、人口1万人の小商圏に店舗規模2000㎡及び1000㎡の大型ドラッグストアを出店すること。小商圏フォーマットなので大量出店ができるというメリットがある。

 海外はもちろん、東京都などの超都市部を除き日本全国どこでも限定した地域に高速大量出店して、高い成長力を維持できることが強みだ。

 

 唯一の成長のボトルネックとして見ているのは、人材の確保だ。

 とくに地方では、なかなか人材が集まらない。その解消に向けて、関西地区、中部地区への出店を加速させていきたい。両地区は、出店余地がたくさんあるだけでなく、店長候補やマネジャー候補などの幹部候補社員を多く採用することができる。実際、2014年4月には413人が入社し、2015年4月には500人超の採用を目指している。

 

 だから期末店舗数に対して年率10%増の高速出店ペースをキープする。ここ数年間は同12%増の実績を残してきた。

 

 販売戦略としてはディスカウント路線を堅持する。

 2015年5月期は、総額表示で販売価格を維持しているため、利益は減少する。しかし、短期の利益にはとらわれていない。生活者からの信頼を得ることができ、限定商圏で圧倒的シェアを持つことができればよい。

 連結の売上高は、4190億円(同12.7%増)、営業利益168億円(同0.6%増)、経常利益183億円(同0.6%増)、当期純利益106億円(同横ばい)を目標にする。