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実は名所・有名人の宝庫! 和歌山で楽しむ絶品ソウルフード

和歌山県へやってきた。年に数回来る機会はあるが、私が住む京都と同じ近畿だということもあり、用事が終わればいつもすぐ帰っていた。しかし名所や有名人を多く輩出する魅力的な県なので、今回は各地を巡り充実した時間を過ごそうと考えた。最後は和歌山のソウルフードを食べたというお話だ。

梅干し、みかんなど和歌山の有名な食べ物は多い中、今回はあのソウルフードをいただく

駅近くの名所を探索

 近畿で個性豊かな県のひとつは和歌山。紀伊半島の南西部に位置し、太平洋、瀬戸内海に面する全長650kmにもおよぶリアス式海岸は多様な恵みをもたらしている。

 有力漁港も多く、水産資源が豊富。タチウオは日本一の漁獲高で、その鮮度とおいしさは高い評価を得る。遠洋漁業も盛んで、紀州勝浦漁港は生鮮マグロの水揚げ量が日本有数を誇る。

 景観にも優れる。和歌山市の「和歌の浦」は、万葉集の代表的歌人、山部赤人が「若の浦に潮満ちくれば潟をなみ葦辺をさして鶴鳴きわたる」と詠み、「和歌の聖地」としても有名。2017年には、「日本遺産」にも認定されている。

 そんな魅力ある和歌山県を堪能しようというのが今回の企画だ。出発地点は南海電鉄、およびJRの和歌山市駅。海からは距離があるため、遠出せず身近な範囲で楽しもうと考えた。

 駅前には商店街をアピールするアーチ状の巨大な掲示物が立っている。見上げると一角に「ようこそ和歌山」とともに「紀州55万石 徳川吉宗の故郷へ」と書かれている。「暴れん坊将軍」で知られる吉宗は和歌山出身なんだな。

駅前の掲示物に「紀州55万石 徳川吉宗の故郷へ」とある。吉宗は和歌山出身だったのか

 まず向かったのは和歌山が生んだ天才、南方熊楠の記念碑。世界的な博物学者、民俗学者で、地域の自然保護にも力を注いだエコロジストとしても知られる。徒歩7〜8分で、台座の部分に「南方熊楠生誕地碑文」が記された胸像がある場所に到着した。

 碑文には「慶応3年(1867)4月15日、ここ橋丁で誕生した。5年後南隣りの寄合町に移転、この周辺で少年時代を過ごす」とある。訪問時、像のある場所はマンション建設中だったが、当時の光景を想像しながらしばらく滞在していた。

まず向かったのは南方熊楠の記念碑。像のある場所はマンション建設中だった

 この近くに、意外な人物が和歌山とゆかりがあったことを示す石碑がある。それは「勝海舟寓居地」だ。文久3年(1863年)4月、江戸幕府の軍艦奉行だった勝海舟が、紀州藩の海岸砲台を検分するため和歌山を訪れた時、滞在した屋敷があった場所という。

勝海舟も和歌山ゆかりの人物
徳川御三家のひとつ、紀州藩紀州徳川家の居城だった和歌山城へ

 次は和歌山城。徳川御三家のひとつ、紀州藩紀州徳川家の居城だったということからも、いかに紀州が重要な土地だったことがわかる。城内をくまなく回り、十分楽しんだ。

和歌山のソウルフードを実食!

 方々を巡ったのでお腹が空いた。食事するなら、やはり有名なものがいい。あれこれ検討し、最終的に和歌山のソウルフードともいえるラーメンに決めた。スマホで近くの店を複数検索、口コミを読み比べて店を選ぶ。

 やってきたのは和歌山城の北側にある「山為食堂」。創業1953年の老舗で、さらに「2023年度には食べログラーメン百名店にも選ばれている」という。期待に胸を膨らませ、私は暖簾をくぐった。

創業1953年創業の「山為食堂」

 行列も覚悟したが、午後2時半と昼食時を外したため数分待っただけですぐに座ることができた。

 案内されたのは壁際のカウンター席。早速、メニューを確認し、定番の「中華そば」と「ライス」を注文する。

壁際のカウンター席に座る
メニューを見て、「中華そば」「ライス」を注文

 料理が来る間、店内を見回すと、さすがは人気店だけあり、奥に長い店内はほぼ満席。年齢層は多様だが、総じて男性客が多い。スーツケースを持ったアジア系の観光客の姿もちらほらあり、店の評判が高いことがわかる。

 6〜7分で届けられたのがこれ。シンプルながらも食欲を刺激する見た目である。

シンプルだが食欲を刺激しまくる見た目

 最初はレンゲでスープを少し飲む。ややザラっとする粒々が感じられ濃厚な味わいだ。しかし決してしつこくなく、麺も最高。これまで何軒かの和歌山ラーメンを食べたが、一番好きかも知れない。豚骨を3日間かけて煮込んでいるそうで、かけた手間暇は決して裏切らないものだと思った。

 チャーシューがまたすごい。トロリとした食感ではあるが肉の繊維が程よく残っており、スープとの相性は抜群。ごはんが進みまくる。再び、麺に戻り、またスープと、順番に楽しみ、あっという間に完食した。

豚骨を3日間かけて煮込んだスープも最高

 和歌山に次回、来ることがあればまたぜひ寄りたい。大満足の気分で、私は店を後にした。

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