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京都で初めて洋食を提供 老舗レストランで食べる名物ハンバーグ

今回は、京都で洋食を最初に提供した老舗レストランで食事をするお話である。名物はハンバーグ。現代にあっては、決して珍しくないメニューだが、いただくと美味であるだけでなく、他にはない自店の特徴を打ち出している点に関心する。どのような店、料理なのだろうか、早速案内しよう。

老舗レストランでハンバーグを食べる

まずは日本初の公立植物園へ

 目的地の老舗レストランに行く前に、まずは近くの名所に立ち寄る。私の中では、いつもセットで行くイメージがある。

 最寄りは、京都市営地下鉄烏丸線の「北大路」駅。北大路通を東進、賀茂川を渡って最初の信号を北へしばらく歩く。10数分で到着したのは「京都府立植物園」である。

まずは「京都府立植物園」へ

 他府県での知名度は不明だが、京都市民にはとても馴染みのある場所。幼稚園、また小中学校の時、写生大会やちょっとした遠足といえば必ずここだし、家族で訪れた思い出がある人も少なくないはずだ。個人的に大好きで、たまにふらりと足を運ぶ。観光で来た方にもおすすめである。

 入口で200円を支払い、入場する。この施設でこの金額しか取らないとは、いくら府立とはいえ安すぎですよ、ホント。

 とはいえ昨今のコスト高を背景に、25年4月から値上げされるというニュースを聞いた。従来は200円とは別に温室を見る場合、入館料200円を支払う必要があった。これを一本化し500円にするそうだ。それでも良心的な設定だと思う。

熱帯植物を集めた温室

 さて園内を歩く。まず目についたのは「おかげさまで開園100周年」と書かれた垂れ幕がかかっていることだ。あちらこちらで「100」の数字をフィーチャーしており、植物で文字を表現している場所もあった。

日本最古の公立植物園で、2024年に開園100周年を迎えた

 実はここ、日本初の公立植物園なのだ。開園は1914年1月1日で、2024年に100周年を迎えた。歴史ある場所であることを意識しながらの散策は気持ちがいい。

 園内は、はす池、ばら園など約20のエリアに区分され、テーマごとに植物を楽しめるようになっている。熱帯植物を集めた温室もあるのは前述の通りで、興味のある方はぜひ足を運んでほしい。

園の中央にある芝生

 本来ならお弁当を持って来たいところだが、今日は、これから食事の予定があるのでそのまま北側の出入口から園を後にし、老舗レストランへ向かう。北山通を西へ数10m進んだところが本日の目的地「キャピタル東洋亭本店」である。なお直接行くときの最寄りは地下鉄の「北山」駅。

 創業は1897年(明治30年)。公式Webサイトには「当時、高嶺の花だった『西洋料理』の美味しさを、京都の町衆に食べていただきたいとの一心で、妻さたと、苦労を重ねながらはじめました」とある。

本日の目的地「キャピタル東洋亭本店」

 入口近くには「キャピタル東洋亭本店 1897」と記された看板。私は期待に胸を膨らませ、店内に入った。

創業は明治30年(1897年)の老舗レストラン

早速、名物ハンバーグをいただく

 人気店なので行列を避けようと営業開始したばかりの11時過ぎに到着。店員に声をかけると奥に案内され、すぐに窓際の席に座ることができた。正面の窓からはうっすらと陽が差し込んでおり気分が落ち着く。

 メニューを開き、「一番人気」の「百年洋食 ハンバーグステーキ」を注文。「トマトサラダ」「マッシュルームのスープ」「パンorライス」「お好みのデザート」「お好きなドリンク」がついてくる2620円の「Cセット」を選んだ。

「百年洋食 ハンバーグステーキ」を注文。「東洋亭といえば‥」の文字が見える

 料理が来る間、店内を観察すると平日の午前中だったこともあり、若い年齢層のお客も一定数いたが、年配の方が目立った。右隣に座っていたのは70代と思われる夫婦。特別な時間を過ごしたいと、来店したのかな、なんて考えていた。

 しばらくしてやってきたのが「トマトサラダ」。これが他の店にはない特徴で、トマトが丸々一個、サラダとして出される。入口近くに、北海道産や岐阜県産の箱入りトマトが積まれていた。ナイフとフォークで食べるが、上にかかっているドレッシングがおいしい!

トマト丸々1個の「トマトサラダ」

 続いて「マッシュルームのスープ」。キノコは細かくカットされているが、しっかり食感、風味が感じられる。

 そしていよいよメーンの「ハンバーグステーキ」である。しかもメニューの最初に「百年洋食」というキャッチフレーズがついていることからも店の誇りを感じる。

ハンバーグはアルミホイルに包まれた状態で運ばれてくる

 アルミホイルに包まれており、破れば本体が出てくる。何が入っているかわかっているけど、なぜかワクワクした。丁寧に剥ぐと、出てきました、ハンバーグが。包むことで全体に熱を行き渡らせているのだろう。早速、いただくと、ありきたりの表現だが、かなり美味。ソースはもちろん、ハンバーグ本体も牛肉の素材の味がしてとてもいい感じだ。

慎重に剥ぐと、出てきました、ハンバーグが!
これがハンバーグの全貌だ。おいしい!

 夢中で食べ、完食。食後にはイチゴ、キーウイ、オレンジと3種類のフルーツが入った「ミルクレープ」を食べた。もうお腹いっぱいで店を後にした次第である。もう大満足である。

 なおこの東洋亭、実は「京都」駅直結の商業施設「ポルタ」にもお店がある。本店まで行きたいが時間がないという方は、そちらを利用してはどうだろうか。

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